大震災と住宅建設事情

http://pds.exblog.jp/pds/1/201104/06/24/d0224624_034888.jpg昨年8月の着工から9ヶ月弱、諸事に亘って紆余曲折を重ねましたが、引っ越しまで1ヶ月余りとなりました。同時期に着工したお隣さんは手際よく工事を進められ、昨年末に引っ越しを済まされていました。細部にこだわり遅々とした歩みの我が家とは対照的です。年度末さえ通り越した今、開き直って職人さんの現場作業を邪魔しながら引渡しまで家普請を愉しもうと思っています。

振り返れば建設現場の足場がとれたのは震災の前日、職人さん達に怪我がなくて本当に幸いでした。一方、竣工まであと少しの我が家でさえ少なからず震災の影響を受けることになりました。当初発注していたINAX製品が組立て工場の被災で入荷の目処がつかなくなり急遽TOTO製品に切り替えたりと震災で資材供給や物流に支障が生じたために欠品被害を被っています。在庫を最小限に抑えたり得意分野に経営資源を集中する経営手法が効率的とされる昨今、大震災を契機にこうした効率重視の経営スタイルは再考を迫られることになるでしょう。海外に生産拠点を設けて天災地変リスクの回避を図っているとされるトヨタが北米で7割の減産を余儀なくされています。重要な部品が日本から供給される限り、海外に生産拠点があっても張り子の虎同然というわけです。

新居に使われた合板は石巻合板工業株式会社の製品でしたが、津波で同社工場が水没して今も操業再開に至っていません。石巻に合板メーカーが集中していることを震災直後に知って思わず天を仰ぎました。首都圏に代表される大都市圏の需要を支えるために福島県が古くから原発を抱え、津波被害の絶えない三陸沖の石巻が主力合板工場を擁して人口集積地の住宅需要を賄うという構図を再認識させられた以上、東北の復興は被災者を除く国民全体の負担で一刻も早く軌道に乗せなければいけないと思います。

ブログ上で途中経過をタイムリーに書き込まない儘に竣工引渡し時期が迫ってきて少々焦っています。注文住宅建設の過程を具に見て感じたことを引き渡しまでに可能な限りブログに記しておくつもりです。