チック・コリアさん死去〜”N0W HE SINGS, NOW HE SOBS”〜

米国ジャズピアニストの巨匠チック・コリアさんが79歳で他界されたと知り、週末の今日は、CD収納庫からチックのファーストアルバムにして伝説の名盤“NOW HE SINGS, NOW HE SOBS”(1968年録音・BLUE NOTE)を引っ張り出して、全13曲を聴くことに。「今、彼は歌い、今またすすり泣く」という意味深なタイトルに惹かれて、このCDアルバムを購入した記憶が忽ち甦りました。

トリオによるスピーディな演奏は勿論格別(ベーシストはミロスラフ・ヴィトウス)ですが、久しぶりに聴くソロ演奏がまったく古びていないことに新鮮な感動さえ覚えました。なかでも、畳み掛けてくるような即興”STEPS-WHAT WAS”が印象的です。Amazonを覗けば、このアルバムに対して実に240ものレビューがなされています。来日公演も多くこなしたチックのファン層の厚みを感じないではいられません。

72年以降、フュージョンバンド、リターン・トゥ・フォーエヴァーを率いたチック・コリアさんは次々と新境地を拓き、その多彩な活動によってグラミー賞ノミネート67回、23回受賞という金字塔を打ち立てています。アルバムを聴きながら、チック・コーリアの原点が、正統派ジャズピアニストの系譜に連なっていたことを改めて意識させられました。

故人のFacebookが次のように訃報を伝えています。

It is with great sadness we announce that on February 9th, Chick Corea passed away at the age of 79, from a rare form of cancer which was only discovered very recently.

Throughout his life and career, Chick relished in the freedom and the fun to be had in creating something new, and in playing the games that artists do.

He was a beloved husband, father and grandfather, and a great mentor and friend to so many. Through his body of work and the decades he spent touring the world, he touched and inspired the lives of millions.

Though he would be the first to say that his music said more than words ever could, he nevertheless had this message for all those he knew and loved, and for all those who loved him:

“I want to thank all of those along my journey who have helped keep the music fires burning bright. It is my hope that those who have an inkling to play, write, perform or otherwise, do so. If not for yourself then for the rest of us. It’s not only that the world needs more artists, it’s also just a lot of fun.

“And to my amazing musician friends who have been like family to me as long as I’ve known you: It has been a blessing and an honor learning from and playing with all of you. My mission has always been to bring the joy of creating anywhere I could, and to have done so with all the artists that I admire so dearly—this has been the richness of my life.”

Chick’s family will of course appreciate their privacy during this difficult time of loss.

Now He Sings Now He Sobs

Now He Sings Now He Sobs

  • アーティスト:Corea, Chick
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

偽版画が流通する百貨店催事場展覧会~その実態に迫る~

今週、平山郁夫東山魁夷の偽版画が流通していると報じられました。ときどき、都内の百貨店催事場で開催される展覧会に足を運ぶので、ピンときました。こうした巨匠の一点物日本画はとても高価で手が届きませんが、リトグラフなら庶民でも買えなくはありません。数十万円~200万円前後と市場価格がそこそこお手頃だからです。報道によれば、東美鑑定評価機構に偽物と判断された作品は次のとおりです。

片岡球子~「うららかな富士」「河口湖の赤富士」「桜咲く富士」「富士」「冬版画集<富士四題>より」

東山魁夷~「秋映」「風吹く浜」「草青む」

平山郁夫~「月光ブルーモスク イスタンブール」「プール」「流沙朝陽」

計10作品、販売総額は5500万だそうです。催事場の展覧会を訪れたことがある美術品愛好家ならそのいずれかを必ず目にしているはずです。百貨店の催事場では、定期的にこうした作家の売れ筋版画が展示販売されています。何度も通えば分かることですが、毎回、判で押したように似たような作品が並んでいることに、以前からなんとなく違和感を覚えていました。さらに、早逝の画家有元利夫リトグラフ6作品(「MAGIC 占いの部屋」「遊戯」「赤い部屋」など)の偽物が流通していると知り、大変ショックを受けています。初期銅版画集(ED77)のうち1枚だけではありますが、所蔵もしています。過去には、コンディションの良さそうな「MAGIC 占いの部屋」<写真下>を買いそうになったことさえありました。コンディションが良かったのは贋作だったからかも知れません。

立派な額装に収まった巨匠の版画が有名百貨店で販売されているとなれば、誰も真贋を疑うことはないのでしょう。ところが、大きな盲点があって、実際の販売者は当の百貨店ではなくて、催事場の一角を借りて営業している画商さんなのです。ブース毎に画商さんが異なるので要注意です。具体的に商談が進めば、15~20%の値引きが当たり前に行われます。露天商と比べるのは乱暴かも知れませんが、値引きを前提に販売価格が決められているので、価格交渉はマストです。

贋作と判定された片岡球子リトグラフ「うららかな富士」の場合、制作1986年、限定100部(本人サイン入り)と謳って、複数の画商が販売しています。通常、エディション(版)はリトグラフの左下余白に分数で表記されます。版画なら何枚でも刷れそうなものですが、沢山刷ればそれだけ版が痛みますので、最大でも200部がいいところでしょう。

同じく贋作と判定された平山郁夫リトグラフ「月光ブルーモスク イスタンブール」の場合、制作2007年、エディションは130部とされています。平山郁夫は2009年に亡くなっているので、制作は生前だと分かります。

そもそも素人に真贋判定は無理なので、安易に巨匠の作品だからというだけで購入するのは危険です。特に、画商の口車に乗るのだけはやめておきましょう。購入した作品の経済的価値はないと思っておくべきです。有名作家の作品を買うくらいなら、藝術大学卒業生のグループ展などで気に入った若手の作品を購入する方がずっと安心だと思います。

2月10日、天声人語子は、今回の贋作騒ぎに寄せて、フランスの画家テオドール・ルソーの言葉を引用しています。フェルメールの贋作画家として知られるメーヘレンをはじめ、稀代の贋作者は名乗り出たい欲望に苛まれているに違いありません。

<我々が語ることができるのは、見抜かれてしまうような出来の悪い贋作についてだけだ。出来の良い贋作は今なお壁にかかってる>

逆説的戦争映画『アルキメデスの大戦』(2019年)~巨大戦艦大和をなぜ建造したのか?~

タイトルからは、沖縄水上特攻で撃沈された「戦艦大和」建造をめぐる海軍省内の大艦巨砲主義派(大角大臣・平山造船中将・嶋田少将)と航空主兵論派(永野中将・山本五十六少将)の対立をテーマにした映画であることは想像もつきません。アルキメデスと言えば、古代ギリシアの科学者にして、有名な「金の王冠」の逸話で知られています。シラクサ王ヘロンの命で、アルキメデスは王冠を傷つけることなく、比重の概念を利用して金の王冠に混ぜ物が含まれていることを証明してみせます。テコの原理や円周率の計算方法など先駆的な業績をあげたアルキメデスは、優れた数学者でもあったわけです。

主人公の櫂(菅田将暉)は帝大数学科を中退したばかりの100年に1人という数学の天才。山本五十六少将(舘ひろし)は、「戦艦大和」の建造を阻止すべく、建造費の見積もりが出鱈目であることを櫂に再検証させようと企みます。タイトルはアルキメデスの挑戦になぞらえたのでしょうか。省内でそれなりの発言権を得られるよう櫂を主計少佐に抜擢し、課長のポストを与えます。軍人嫌いの櫂は、戦争を阻止するためだと説得されて、渋々任官に応じます。

原作者は代表作「ドラゴン桜」で知られる三田紀房さん、意表をつく展開は三田さんらしい着想ではありませんか。軍機や反対派の妨害行為に邪魔されながらも、櫂主計少佐と補佐役田中少尉(柄本佑)は日夜資料集めに奔走します。しかし、巨大戦艦か空母か最終的な意思決定を下す会議の当日になっても、彼らは十分な反証を固めることができません。

条約派でありながら、日米開戦という最悪のシナリオに備え、山本五十六真珠湾攻撃を構想していたのは史実のとおりです。会議終盤になって、櫂主計少佐は理路整然と提示された戦艦建造費の見積もりが如何に荒唐無稽かを証明してみせますが、名目的な建造費さえ安ければそれで良しとする主流派には一顧だにされず、<数字は嘘をつかない>という櫂主計少佐のモットーは海軍部内では説得力をもち得ませんでした。

万事休すと思われた土壇場に思わぬ展開が待ち受けます。平山造船中将は、櫂主計少佐の船体の剪断力に係る鋭い指摘を無下にすることなく、周囲の説得にも耳を貸さず、自ら設計案を引っ込めてしまいます。会議の結果は航空主兵論派の思惑どおりになるわけですが、ここから先がこの映画の非凡なところです。

古今東西、軍隊や会社にまつわる組織論は枚挙に暇がありません。単なる海軍部内の派閥抗争決着で終わらせないところが、この映画の卓抜な所以です。実在の平賀譲造船総長をモデルにした平山造船中将は、呼びつけられた櫂主計少佐が予想だにしない意見を述べて、諦め切れない巨大戦艦建造への協力を求めます。そこまでして、巨大不沈艦「戦艦大和」は、なぜ建造されなければならなかったのか。

戦艦大和の乗員のひとり、白淵磐大尉は死の意義を次のように語りました(『戦艦大和ノ最期』より)。

「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ 負ケテ目ザメルコトガ最上ノ道ダ」

「敗レテ目覚メル、ソレ以外ニドウシテ日本ガ救ハレルカ」

「日本ノ新生ニサキガケテ散ル マサニ本望ヂヤナイカ

負け方を知らない日本人は、太平洋戦争を終結させる術を持ち合わせていませんでした。一億総特攻の魁となった「戦艦大和」はアプリオリにかかるミッションを与えられていたのだと考える『アルキメデスの大戦』は、勝つために戦うという常識を根底から覆す逆説的な戦争映画なのです。逆転の発想から構想された『アルキメデスの大戦』は、数ある戦争映画のなかで賞賛に値する佳作だと申し上げておきます。

冬を彩る臘梅と啓翁桜

この季節、近所の玉川上水縁の広葉樹がすっかり落葉して、対岸まで見通せてしまいます。何とも殺風景で味気ないものです。ソメイヨシノが咲くまで今しばらくの辛抱です。

先週末、見頃を迎えた宝登山(埼玉県秩父郡長瀞町)の臘梅園(注)を訪れました。3月下旬の陽気のせいか、人出は予想以上でした、山麓宝登山神社左手奥の登山口からスタートすれば、小1時間で山頂(標高497m)にたどりつけます。登山道はよく整備されていて難所もありませんので、お子さんを連れも目につきました。山頂の花壇で開花した福寿草を見つけました。

登りきった処にある茶屋でひと息入れると、例年なら、甘い臘梅の香りが漂ってくるはずなのにそうはなりません。マスクをしていることをすっかり忘れていました。アウトドアですから感染の心配はなさそうですが、皆さん、マスクを着用したままです。早春を告げる黄色い花弁を遠くから愛でるだけでなく、香りを愉しんでこその臘梅です。香りの強い満月臘梅に顔を近づければ、芳香が鼻腔をくすぐります。

宝登山は、低山ながら眺望に優れていて、眼下には秩父の町並みが拡がり、遠方には秩父のシンボル武甲山や鋸状の山容をした百名山両神山(りょうかみさん)が望めます。都内から車で1時間半前後で行けるというアクセスの良さもあって、毎年この時期、訪れたいスポットなのです。

臘梅と同様、冬に花を咲かせる啓翁桜を信楽の瓶子に活けたところ、一週間ほどで満開になりました。古くからある品種ではなく、1930年に福岡県久留米市の吉永啓太郎氏によって作られた桜だと最近になって知りました。

冬を彩る臘梅と啓翁桜に癒されながら、春の訪れを待ちわびているところです。

(注)宝登山ロウバイは蝋梅ではなく臘梅という漢字を当てています。

初代『はやぶさ』映画の寸評~究極の縮み志向~

昨年12月6日、小惑星探査機『はやぶさ2』が地球に帰還。火球となったカプセルは、オーストラリア南部・ウーメラの地に落下し、無事回収されました。初代『はやぶさ』が、度重なるトラブルで満身創痍となり大気圏に突入、燃え尽きてしまったのに対し、『はやぶさ2』はリエントリーカプセルを切り離した後、地球から離れすでに次のミッション(小惑星1998KY26の探査)に挑んでいます。もっとメディアが大きく取り上げてもいいはずなのに、加熱するコロナ禍報道のせいか、運航が順調すぎたせいなのか、期待したほど成果情報が聞こえてきません。続報は、数日前に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が「『はやぶさ2』が持ち帰った小惑星リュウグウ地表で採取した石は(穴がたくさん開いている割に)予想より硬かった」と発表した程度です。

この際、奇蹟の帰還を果たしたと云われる初代『はやぶさ』(小惑星イトカワ探査機)をテーマにした映画を観て、はやぶさプロジェクトの軌跡をお浚いしておこうと思い立ちました。同時期に4本も映画制作されているとは全く知りませんでした。鑑賞したのは★印の2本です。

(1)はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH(角川映画)

(2)はやぶさ-HAYABUSA-(20世紀FOX)★

(3)はやぶさ 遥かなる帰還東映)★

(4)おかえり、はやぶさ(松竹)

最初に観たのは『はやぶさ 遥かなる帰還』、ミッションの現場責任者であるプロジェクト・マネージャー(PM)を渡辺謙が演じ、探査機地球帰還の鍵を握るイオンエンジン開発担当責任者(江口洋介)と大学同期のメーカー担当者(吉岡秀隆)が、ある重要な決断をめぐり、亀裂を深めていきます。並行して、宇宙担当になったばかりの女性記者(夏川結衣)と町工場を経営する父(山崎努)が、はやぶさプロジェクトの成功を祈りつつ、幾度となく逆境に身をおくことになるPMとその距離を縮めていきます。次々と見舞われる技術的なトラブルの深奥に迫りながら、ヒューマンドラマをフィクションとして織り交ぜた結果、前人未踏のプロジェクト達成というバリューがやや削がれた感は否めません。姿勢制御系の故障から通信が途絶し絶望的な状況(過去復旧事例0)に陥るなか、「1bit通信」で復旧を図った場面などもう少し深堀りして欲しかったところです。一番印象に残ったのは、NASAの凡そ1/10の予算で小惑星探査に挑む我が国のお寒い宇宙開発の実態と、それをバネに創意工夫を重ねる日本人研究者やエンジニアの姿でした。冒頭シーンがすべてを物語っています。初代『はやぶさ』の重さはわずか510kg(燃料込み)、トヨタVitzの半分程度に過ぎません。そんな小さな物体に7年間60億キロのサンプルリターンを実現させてしまう日本チームの底力は、究極の縮み志向ではありませんか。

次は『はやぶさ-HAYABUSA-』、こちらは研究者をめざす女性広報担当者(主人公)を竹内結子が、JAXA広報室長を西田敏行が演じています。昨年亡くなった竹内結子さんを懐かしむ気持ちは逸るのですが、どうしてもその配役に感情移入できませんでした。研究者=変人キャラというプロトタイプな設定がどうにも鼻につきます。豪華なキャスト陣だけに、おちゃらけを排して、全篇にわたって緊張感ある空気を漂わせた方が締まった映画になったと思います。漁師さんとの宴会や予算削減を暗に迫る財務省の役人を描写するよりも、NASAとの交渉エピソードを紹介した『はやぶさ 遥かなる帰還』に軍配が上がります。『はやぶさ』帰還を中心軸に据えなかったために、ピントのぼけた映画になってしまいました。唯一の救いは、PMに佐野史郎さんを起用したことでしょうか。

2作を観るかぎり、現場の空気はじんわり伝わってくるものの、初代『はやぶさ』の偉業の真価はぼんやりとしか見えてはきません。期待していたのは、アポロ13号の爆発事故実話に基づいて制作された『アポロ13』(1995年)のような質の高い映画でした。『はやぶさ2』をテーマにした次回作に期待したいと思います。

「縮み」志向の日本人 (講談社学術文庫)

「縮み」志向の日本人 (講談社学術文庫)

  • 作者:李 御寧
  • 発売日: 2007/04/11
  • メディア: 文庫

ワクチン接種は本当に安心・安全なのか?~mRNAワクチン VS 従来型ワクチン~

2月中旬から日本でも医療従事者を対象に、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、4月以降一般の人に対象を拡大するようなスケジュールが打ち出されています。G7カントリーにおいて、日本のワクチン接種は最も遅いスタートになります。日本の累積感染数数はG7で突出して低く、先行国から副反応(ワクチン接種に限定して使用される)に関する最新情報や接種態勢に関する情報も得られるので、寧ろ接種が遅くなったことは歓迎すべき事柄なのです。インフルエンザワクチンでおなじみの皮下注射(海外は筋肉注射)ではなく、免疫がつきやすい筋肉注射で行われる可能性が高いようです。

接種開始時期が目前に迫ってきたので、ワクチン接種が本当に安全・安心なのか、現時点で入手できる情報を基に検討してみることにします。新型コロナウイルスの感染拡大し始めた頃、メディアはワクチン開発に7~8年を要する悲観論を盛んに報じていました。ところが、わずか1年足らずでワクチン開発は成功し、しかも90%以上の高い有効性を示したというではありませんか。この成果、素直に受け入れていいものでしょうか。

調べてみると、従来型ワクチンの多くが弱毒化(又は不活性化)した抗原となるタンパク質やウイルス粒子を接種することで免疫反応を促すのに対して、新型コロナの切り札ワクチンは、mRNA(メッセンジャーRNA)を投与して、体内で病原体タンパクを作らせます。朝日新聞によれば、2005年以降次々と論文を発表しワクチン開発に繋げたのは、米ペンシルバニア大学のチームだそうです。米製薬大手ファイザーや米モデルナのワクチンは、この「mRNAワクチン」に当たります。日本政府は、米ファイザー社と21/6末までに6000万人分のワクチン供給を受ける基本合意を交わしています。同社の厚労省への承認申請は昨年12月18日になされています。米モデルナ社とは6000万人分の供給を受ける契約を締結しています。

一方、英アストラゼネカが開発した「ウイルスベクターワクチン」は、弱毒化したチンパンジー由来の風邪のアデノウイルス(人間の体内では病気を起こさないウイルス)に、新型コロナウイルスの表面にある突起状のタンパク質(スパイクタンパク質)の遺伝物質を含ませたワクチンです。日本政府は英アストラゼネカ社と6000万人分の供給を受ける契約を締結しています。同社は、2月5日に特例承認を求め厚労省に対して承認申請を行っています。

これから接種を受けることになる「mRNAワクチン」は、従来型とは全く異なるワクチンであって、しかも初めて人体に使用されるのだということを先ず認識してかからねばなりません。「ウイルスベクターワクチン」にしても、一部感染症エボラ出血熱)で使用実績があるだけです。

横浜市立大学奥田研爾名誉教授は、次のように述べています。

<「mRNAワクチン」は、人工合成したウイルスの遺伝子を使うため、病原体を使うワクチンとはその点で人体への有害性はほとんどないと考えられています。それと今回は、米国やブラジルなどで感染者が多発したため、治験者の感染予防率、重症化率などの統計が短時間でまとめられた。緊急事態下ですから、承認スピードも速かったといえますが、安全性を軽視したわけではありません>

俄かに信じ難い根拠なきワクチン擁護論です。世界的感染拡大を食い止めるため、先進各国政府が前のめりになって有効性の高いワクチン開発を急いだことは間違いありません。ウイルスを使わないため開発・製造に要する時間を劇的に短縮できた一方で、実績皆無で安全性の検証がこれからだという「mRNAワクチン」は、現時点ではどうみても未知数のワクチンだと云わざるを得ません。また、「ウイルスベクターワクチン」は「mRNAワクチン」とは異なったワクチンです。接種するのであれば、どちらがベターなのでしょうか。もし接種を受けるのであれば、国産ワクチンが開発されてからでも遅くはないような気もします。いずれにせよ、目下、ワクチン接種の安全性に大いに疑義ありと申し上げておきます。

STARBUCKS RESERVE BARで極上の珈琲を味わう~「ゲイシャ」篇~

一昨日、観測史上最速の春一番が吹いて、この週末は3月並みのポカポカ陽気になりそうです。土曜日の今日は、観劇まで少し時間があったので、GINZA SIXの6Fにある蔦屋書店内STARBUCKS RESERVE BARを訪れました。コロナ禍でさえスタバはどこも大繁盛で、待ち時間なしで席を確保することは殆ど不可能です。スマホタブレット端末が普及して、ワンドリンクで退屈せずに長時間ステイできるからでしょうか。結果、最近はスタバをスルーしてしまうことが多いような気がします。

その点、STARBUCKS RESERVE BARは、高品質で希少なコーヒー豆を使ったスペシャルティコーヒーを提供する特別な空間で、コーヒー豆と抽出方法を選択することができます。頗る敷居の高い存在なのです。都内では、蔦屋書店内店舗も含めSTARBUCKS RESERVE BARはわずか3ヶ所しかありません。2年前、スタバは中目黒に世界に5店舗しかないリザーブ・ロースタリーという新施設をオープンしています。通常価格帯のスタバから高品質を追求する高級価格帯まで、幅広い顧客ニーズに応えようとスタバは日々進化しているのです。スタバ関係者には失礼かも知れませんが、分かり易く説明すれば、ドトールエクセルシオールのような関係でしょうか。

STARBUCKS RESERVE BARは、スタバと比較すると、さほど混雑していない上に座席配置がゆったりめなので、総じて高価格帯の料金に見合ったサービスを享受できます。今回は希少種として名高い「ゲイシャ」種(ボリビア産)をサイフォン仕立てで注文しました。サイズはトールで税込価格は1430円でした。「ゲイシャ」はパナマ産やコスタリカ産が有名ですが、STARBUCKS RESERVE BARはボリビアブエナビスタ農園で生産された豆を使っています。詳しくは、コーヒーの添えられたカード(写真右)に記載されています。ほどよい酸味で軽やかな味わいが「ゲイシャ」の特徴で、豊かな果実味が鼻腔で感じられ長めの余韻を愉しむことができます。トールサイズだと小さなコーヒーカップの2杯弱はあるのではないでしょうか。ただ、時間が経つにつれ冷めてくるので、サイホンの儘提供して欲しいところです。

カウンターでバリスタと会話を愉しむこともできるようです。次回はフレンチプレスを試してみようと思っています。