井の頭公園西園グラウンドでLSD

先週、満開を迎えた桜が一週間もってくれたお陰で、今週末も近所の玉川上水井の頭公園の桜はまだ見頃、お花見客で溢れ返っていました。今日の最高気温は22度、適度な風もあって外気に触れていた方が気持ちがいいに違いないと思い、ジムは急遽お休みにして井の頭公園西園グラウンドを走ることにしました。マイ・ホームグラウンドは自宅から数分足らずの場所にあります。

日差しが弱くなった16時過ぎに自宅を出発、井の頭公園西園グラウンドの400mトラックを25周した後、LSDに切り替えて6周、久しぶりに気持ちのいい汗をかきました。LSDとはLong Slow Distanceの略語、1キロを6分から8分でゆっくり長く走ることを意味します。1万メートルを40分前後で走れたとしても(これもきついのですが・・)、ハーフマラソンやフルマラソンではそうはいきません。LSDは、遅筋と呼ばれる長距離走に耐えられる筋肉を鍛えるのに効果的だといわれています。

その上、長時間走ることで脂肪が大量に燃焼されるので、体重コントロールにもうってつけです。ちょっと食べ過ぎたりして体重が1kg増えただけで、1時間以上走るのが結構しんどく感じたりするものです。ジムにこだわらず、脂肪を効率的に燃焼させてエネルギーに変えられるアウトサイドのLSDに今年は積極的に取り組んでいこうと思っています。LSDは走り終わったあとの爽快感も格別ですから、本格的な夏の到来前までにトレーニングの比重を増やしていおきたいものです。

銘酒「三諸杉」を鈴木都さんの瀬戸黒ぐい呑で頂く

高野山の宿坊で一泊した後、鳥羽に向かう途中、奈良県桜井市にある今西酒造を訪れました。WOWOWの銘酒誕生物語で知った今西酒造は、「三諸杉(みむろすぎ)」という銘酒を造っている350有余年続くこじんまりとした酒蔵です。14代当主の今西将之さんは、先代が急逝して経営危機に陥った蔵を数年で立て直した若き蔵人として知られています。

<三諸(みむろ)>は、<三輪>を表す古語だそうです。今西酒造本店は酒造りの神様として知られる大神神社(おおみわじんじゃ)のお膝元にあります。本殿が存在せず、三ツ鳥居から「三輪山(みわやま)」を拝するという自然崇拝がこの社の特徴です。「三諸杉」の仕込水は御神体三輪山」の伏流水、霊験あらたかな御神水が使われています。本店の店頭に吊るされた杉玉は、大神神社からの賜り物。三輪の里は杉玉発祥の地でもあり、大神神社から全国の酒造に杉玉が届けられるのだそうです。

店内で勧められた3本を買い求め、今宵は季節限定の純米吟醸「三諸杉 春酒ものがたり(無濾過生原酒)」を黒田陶苑から届いたばかりの瀬戸黒ぐい呑で頂きました。酒米は雄町、精米歩合は60%、アルコール度は15%。無濾過生原酒原酒というのは、いわば、すっぴんの日本酒のこと。細かいお米のカスの除去もされていませんし、殺菌のための火入れも加水もなしですから、酒蔵自慢の一本といえます。

色は白濁、適度な酸味があってフレッシュな味わいを楽しめました。リーデルの日本酒用のグラスで試してみても良さそうです。

熊野古道(中辺路)を歩く

世界遺産 熊野古道 とっておきの聖地巡礼』(メイツ出版)というムックを手元に温めて5年余り、この春、初めて紀伊半島の深奥に分け入り、念願の熊野古道歩きを実現しました。といっても熊野三山へと通じる熊野古道は6つもルートがあって、今回(2019年3月22日)訪ねたのは、「中辺路(なかへじ)」と呼ばれる最もポピュラーな参詣道の一部、〈牛馬童子口〉から〈野中の清水〉に至る約5キロの道程に過ぎません。

もう少し時間が許せば、手前の〈滝尻王子〉から出発したかった。「中辺路」は、かつて上皇法皇が熊野詣で利用したルートで、〈滝尻王子〉から聖域ともいうべき山道になるからです。箸折峠を下った先の日置川(ひきがわ)では、参詣者が往時禊ぎをしたのだそうです。

東京を発って2日目、起点となる古道歩きの里「ちかつゆ」(和歌山県田辺市)に車を止めて、案内所〈古道歩き館〉で古道歩き体験コースのなかから完歩コースを選んで申し込みました(1人500円)。所要時間は3時間とあります。「ちかつゆ」はコースの中間地点にあるため、DVDのコース案内を見てから専用車で起点の〈牛馬童子口〉へ運んでもらうことになります。

お天気次第ですが、服装はハイキングや日帰り登山の要領で、スニーカーよりトレッキングシューズがベターです。

受け取った「歩きガイド」を片手に歩けば迷うことはほぼありません。標高差は全行程で200m程度です。注意が必要な箇所はスタートしてまもなく到着する箸折峠〈牛馬童子像〉のある場所、そこから道標のある地点までいったん戻って〈近露王子〉の方角へ歩を進めることです。前半はスロープも緩やかで杉木立のなかを進みます。桜の開花時期から新緑の頃には、大勢の観光客が訪れるそうです。オフシーズンだったせいでしょうか、数組とすれ違った程度でほぼルートは貸切状態でした。却って静かで良かったくらいです。

〈近露王子〉を過ぎると、アスファルトで舗装された道も一部歩きます。民家も多く、古道の風情は希薄になります。〈比曽原王子〉は山肌に祠が立っていました。さらに進むと、民宿〈いろり庵〉の女性が声をかけてくださいました。風もなく穏やかな春の光を浴びながら、終着点手前の〈継桜王子〉に予定より早く到達しました。樹齢1000年の杉の巨木や古色蒼然とした佇まいが見どころです。

とがの木茶屋〉で所定の電話番号(0739-65-0510)に連絡を入れると、〈野中の清水〉まで専用車が迎えに来てくれます。車が到着するまで、環境省「名水百選」にも選ばれた清水で喉を潤せば、たちまち旅の疲れも癒されます。

ハイキングの後の腹ごしらえは、「ちかつゆ」施設に隣接したAコープで買った和歌山名物「めはり寿司」。高菜おにぎりは素朴な味で、次回は熊野古道歩きに携行しようと思いました。

リーデルのテイスティングセミナー@新宿タカシマヤ

昨夜、新宿タカシマヤで開催されたリーデルテイスティングセミナー(1時間)に参加したところ、ソムリエ主催のテイスティングセミナーと違って、メーカーならではの視点も手伝って、結構楽しめました。定員は10名、外商さんが早めに教えてくれたお陰でなんとか滑り込めました。

新宿タカシマヤの10階に新設されたキッチンスタジオが会場。物販にこだわらず、こうしたイベントを通じて消費者動向や嗜好を探るというのは、厳しい競争環境におかれた百貨店が、ジリ貧状態を打開するための有効なサバイバル戦略のひとつではないでしょうか。

スピーカーはリーデルの日本法人担当者。キッチンカウンターには4つの異なるグラスとプラコップが置かれています。左から、リースリング/ジンファンデル、樽詰シャルドネピノ・ノワールカベルネメルローというぶどう品種由来のグラスに注がれたワインをテイスティングする寸法です。

我が家もそうですが、重ねられないワイングラスはカップボードの収容能力とご相談。特に、横に膨らんだピノ・ノワールシャルドネ用のグラスはかさばります。従って、常備するなら、主力はカベルネソービ二ョン用の細長いタイプということになります。

いざ、ブルゴーニュシャルドネを対応するグラスで試すと、アロマやブーケを最高の状態で感じることができます。リーデルが、ブルゴーニュの生産者を皮切りにボルドーなど他地域の生産者の声を反映したグラス作りを始めて、60年余が経つそうです。世界的ワイングラスメーカーとしての揺るぎなき地位は、1973年にリリースされたハンドメイドのソムリエシリーズが嚆矢、歴史は思ったより短いのですね。以前は、広くガラス製品を扱う業者だったそうです。

プラコップに移し替えて、シャルドネテイスティングしてみると、香らないだけではなく、肝心のワインの風味も単調でまるでジュースを飲まされているような感覚です。こうして、違った容器を試してみて初めて際立った違いを再認識させられました。ワインの個性を最大限に引き出すべくグラスの形状を変えるという発想は、リーデルの専売特許、ブレークスルーだったわけです。まさにワイングラスのイノベーションです。

ソムリエ主催のテイスティングセミナーのように、極上のワインが供されたわけではありませんが、むしろ、1000円〜3000円前後の普段使いのワインにこそ、その品種にふさわしいグラスが供されるべきなのです。無論、高級ワインなれば、その品格にふさわしいグラスで飲むこと、それが礼儀ですね。

眼から鱗だったのは、グラスに注がれるワインの量は、グラスの最も膨らんだ部分より指一本くらい下にすべきだということ。通常、レストランで供されるグラスワインはボトルの6分の1(125ml)が目安、グラスの大きさや形状によっては膨らみを超えてしまう場合もありえます。ワインの場合、注がれていない空間がワイン個性を最大限に引き出すポイントだということを再認識させられました。グラスになみなみと注ぐなぞ、以ての外というわけです。それから、スワリングはゴシゴシやるべし。自宅ではデキャンティングポワラーを使うので少々スワリングは遠慮していましたが、空気に触れさせてワインを素早く開かせるためには、やはりスワリングも欠かせませんね。

高級ワインのテイスティングでもないのに、セミナー参加費用は14040円でした。セミナー終了後のお土産にと、テイスティングで使用したグラス4種(リーデル・ヴェリタス テイスティングセット)(2014年発売)にデキャンタがついてきました。これで納得どころか大満足でした。リーデルのスピーカーの軽妙洒脱なデモンストレーションのお陰であっという間に1時間が過ぎて、ほろ酔い加減で帰宅しました。次回はスパークリングワインのテイスティングセミナーをお願いしたいと担当者にはお伝えしておきました。

高野山宿坊「一乗院」徹底ガイド(後編)

高野山の朝は早い。宿坊に館内アナウンスが流れる6:00までには身支度を整えておきましょう。早めに就寝したせいで5時過ぎに目が覚めましたが、決して時間的にゆとりがあるわけではありません。お手洗いや歯磨き、着替えとあっという間に30分余りが過ぎてしまいました。布団も畳んだりと室内整理をしたりする時間も必要です。女性はお化粧もありますから、5:00に起床するくらいの方がよろしいかと思います。

(勤行篇)朝の勤行は6:30スタートですが、6:15に入堂することが出来ました。本堂は聖域、入口で塗香を両手に塗って清めます。戸外の気温は2度前後、本堂にはストーブが二台置かれています。本堂を凛とした空気が支配しています。吐く息は白く、自然、身が引き締まります。勤行が始まるまでの15分あまり、ご本尊の弥勒菩薩を囲むように整然と安置されたご位牌に向かってお参りをしながら、ぐるりと一周します。早めに本堂に入れば、勤行前にゆっくり一周できますし、正面でご本尊と対面できる位置に着席できます。床に正座ではなく椅子に座れますので、身体の不自由な方も安心です。この日の参加者は30名くらいだったでしょうか、ジャンパーやフリースを着込んだ用意周到な中年夫婦が目立ちました。我が家は薄着でしたが、厳しい寒さを体感できる3月下旬に勤行に参加できて、却って良かったと思っています。3月下旬でこの寒さ、真冬の朝勤行を想像するだけで身体も心も洗われる気がします。

半鐘が鳴らされ、入堂した住職を中心に左右3人ずつ若い僧侶が控えます。読経の声が本堂に響き渡るなか、参加者は一様に、ご本尊に向かって居住まいを正します。身じろぎもせずに読経と時折鳴らされる銅鑼の音に集中していると霊気さえ感じます。こうして、30分あまりの読経が終わると、参加者は本堂入口で受け取った般若心経を開いて、僧侶たちと共にお勤めを行うことになります。初めて般若心経を手にする方も多かったのでしょうか、もう少し息継ぎが揃って大師御宝号「南無大師遍照金剛」を合唱できると理想的でした。

読経が済むと、ご住職から法話を頂戴します。2004年に登録された世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道>には高野山が含まれています。<高野山は決して遺産ではなく、今も脈々とお大師様の教えが息づいている聖地なのだ>と住職は強調されておられました。雪の日も嵐の日も、一日とて休むことなく繰り返される早朝の勤行こそ、その証に他なりません。帰りしな、様々な花が描かれた見事な格天井に魅了されました。本堂は文化財クラスだと思います。

勤行が済んで部屋へ戻ると7:30過ぎ。布団は片づけられ、朝食の準備が整っていました。勤行を済ませたせいでしょうか、こんな晴れやかな気持ちで朝食を頂くのは久しぶりでした。

(阿字観篇)阿字観に申し込んでいたので、集合時刻の8:10に受付に馳せ参じました。8名の参加者が若い僧侶に従って2階の大広間に移動、そこで真言密教由来の瞑想法を体験することに。阿字観には4段階あり、今回体験するのは入門編にあたる<阿息観(あそくかん>。次いで、<数息観(すそくかん)>、<月輪観(がちりんかん)>を経て、<阿字観>へと進むことになります。

前方正面には、蓮華の花の上に梵字のアが書かれた小ぶりの軸が掲げられています。畳の上には、参加者分の座布団と<阿字観作法>と書かれた冊子が置かれていて、先ずは座布団をふたつに畳んで、右足を左足のももに乗せる<半跏坐>という態勢をとります。手は<法界定印>、左手の上に右手を重ね、親指を軽くつけて輪っかを作ります。このとき、両手はお臍のあたりが定位置となります。

瞑想に入る前に身体を前後左右に揺すって、長時間安定して瞑想できる自然体の態勢を整えます。背筋を伸ばして肩の力は抜いてリラックス。両眼は半分閉じて、俯き加減で半畳先がぼんやり見えるような<半眼>にします。

態勢が整ったところで、いよいよ<調息>と呼ばれる呼吸法の練習です。腹式呼吸でゆっくりと不浄の気を口から吐き出します。出し切ったところで清浄な霊気を鼻孔から吸入します。口で吐いて鼻から吸入という呼吸を繰り返します。

やがて、室内照明は消され、灯明のなかで、僧侶に従って宇宙根源のアの音を発声しながら、各々のペースで呼吸を繰り返します。やがて、アの発声をやめて無音のアを念じながら、宇宙本源との一体感を感じる静かな鼻から鼻への呼吸へと転じていきます。<正観>と呼ばれるステージです。この間、様々な雑念が胸中を去来しますが、振り払う必要はないそうです。

僧侶のおりんの合図で約1時間の<阿息観>は終了、<半跏坐>と<法界定印>を解いたら、両手を頭上にかざし、ゆっくりと腰まで弧を描くように下げ、この動作を数度、反復します。

2日目は、勤行に続けて阿字観を体験したことで、高野山で心洗われる貴重な時間を持てました。一乗院には湯川秀樹博士が幾度も逗留したのだそうです。日常から離れて、また高野山で阿字観を体験したいと心底思いました。10:00にVISAカードで支払いを済ませ、一乗院を後にしました。この数年、8万人を超える日本通の外国人が「宿坊」に泊まるのだそうです。ホテルと勘違いする輩も少なからずいるようですが、日本人が高野山の「宿坊」体験をしないでやり過ごすのは勿体ない、そう思いました。

高野山宿坊「一乗院」徹底ガイド(前編)

高野山には現在117の寺院が存在し、そのなかに、参拝者や観光客が宿泊できる「宿坊」と呼ばれる比較的規模の大きい寺院が52ヶ寺含まれています。寺社仏閣の数において他を圧倒する京都でさえ、参詣者や観光客に開放されている「宿坊」は決して数多くありません。高野山の「宿坊」の数は、間違いなく日本一ではないでしょうか。日本一高所にあるというスクランブル「千手院橋」交差点には、高野山宿坊協会という立派な施設さえありました。しかも真言宗という一宗派だけで52カ所ですから、高野山という聖地の「宿坊」に泊まり、非日常の世界を経験しながら1日を過ごす価値は計り知れません。今回、数ある「宿坊」のなかでも評判が頗る高い「一乗院」(22室)に宿泊することにしました。「一乗院」の開基は平安時代前期、定紋は藤、九条家菩提寺という大変由緒ある「宿坊」です。以下、予約からチェックアウトまでの一連のフローを、2019年3月下旬の宿泊体験に基づいて、前編(1日目)と後編(2日目)に分けてご説明します。

1)予約

公式HPやじゃらんなどの旅行サイトで空室を確認してから予約を入れます。部屋のサイズで多少宿泊費は異なりますが、そもそも客室数が圧倒的に少ないので、平日・祝祭日問わず、2~3ヶ月前から予約を入れておくことをお勧めします。「一乗院」に限らず、どの「宿坊」もかなり前から予約を入れておかないと希望日の宿泊は叶いません。

2)チエックイン

チェックインは15:00から17:00まで。自家用車で現地に向かう場合は、渋滞などで到着が遅れないようにゆとりをもってスケジュールを立てておきましょう。山門前の駐車場では若い僧侶が丁寧に出迎えてくれます。入口で内履き(スリッパ)に履き替えたところで、「塗香(ずこう)」と呼ばれるお清め香を両手に塗って清めます。ここですでに「宿坊」が一般の宿泊施設ではないことを強く意識させられます。修行の場所だということを滞在中は忘れないようにしましょう。門限は21:00、この時間を過ぎると閉門されてしまうので「宿坊」に戻れません。

3)館内案内と「竹」の間

若い僧侶が部屋まで案内して下さいます。入口向かって左の部屋はDVDや書籍を見ることのできるライブラリーになっています。途中、見事な回遊式庭園や大名が宿泊したという上段之間を通り過ぎます。上段之間の曼陀羅や狩野深齊の襖絵は必見です。宿泊者は自由に鑑賞できます。

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部屋(「竹」の間)に着くと、共同トイレ(とても清潔です)の場所・金庫の使用法・夜間の施錠法などの説明を受けます。このとき、写経(1000円)と翌朝の阿字観(1000円)を予約します。「竹」の間の床の間には竹の掛け軸。天袋にも竹があしらわれていました。床の間の落掛には初めて目にする切り絵が飾られていました。お尋ねしたところ、一年の無病息災・招福を祈念するしめ飾り<吉祥宝来>ということでした。切り絵は<壽>という字だそうです。

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4)夕食

17:30頃から各部屋に夕食が配膳されます。大変豪華な精進料理のフルコースで三の膳までありますから、宿泊する日の昼食は控えめにしておくべきです。献立には「春の花山吹」とあります。胡麻豆腐、蒸しちらし寿司、百合根や伏見唐辛子の油物などなど、高級料亭の趣です。アルコールはご法度かと思いきや、ビールや燗酒も注文できました。般若湯と隠語で勧められるかと思いきや、お酒も大丈夫ですよと勧められました。配膳も僧侶の修行の場ですから、スマホ撮影はNGとなります。

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5)写経

チェックインから夕食まで慌ただしく時間が過ぎます。写経は夕食後にテーブルを使って集中して行うといいでしょう。筆ペンと般若心経を印刷した紙+下敷が与えられますが、追加料金を支払えば毛筆で写経することもできます。写経は一字一字心を込めると綺麗に仕上がります。

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6)布団敷と暖房

写経中に宿坊従業員(宿坊寺院には僧侶のほかに、宿坊従業員・厨房従業員・料理人・パートもいます)が布団やマットを部屋に運び入れ、手際よく、寝所の用意をして下さいます。浴衣と帯は備えつけられています。3月下旬ですと、室内は暖房機器がフル稼働、寒がりの方はフリースなど防寒対策をして臨みましょう。

7)入浴

16:00~22:00までが入浴時間です。翌朝は入浴できません。浴室には洗場が5カ所、中風呂は天然の檜製、温泉ではありませんが、2009年に全面改装されたそうで清潔感溢れる浴室です。この日の中風呂からは美しい坪庭を臨むことができます。夏場(6月~9月)はともかく、それ以外の時期の最低気温はマイナス5度~10度前後。3月下旬で就寝時の外気温は0度でした。従って、入浴はなるべく遅い時間になさった方が湯冷めせずに済みます。

8)就寝

消灯時間はありませんが、お手洗いを済ませ、旅の疲れを癒すべく11:00には就寝すべきです。翌朝6:00には起床のアナウンスがあり6:30から勤行が始まりますから。

ロングセラーと惜しまれながら消えてゆく明治フルーツ牛乳

平成の御世もあと二ヶ月足らず。先週、「明治フルーツ」牛乳が4月1日に販売終了になるというニュースを聞いて少なからずショックを受けています。月に何度か通う贔屓の日帰り温泉にも明治の自動販売機(meiji健康ステーション)があって、180mlガラス瓶入り「明治フルーツ」は自分のなかでは断トツNo1の商品です。もう飲めないとなると、湯上りの楽しみのひとつが喪われてしまいます。「明治コーヒー」は続けるのだそうですが、圧倒的に軍配は「明治フルーツ」に上がります。「明治コーヒー」を販売終了にしてくれた方がダメージは遥かに軽微でした。新聞記事で知ったわけですが、リンゴ、バレンシアオレンジ、パイナップル、洋ナシ、バナナ、レモンと6種類の果実と乳製品で構成されているとは初耳でした。他社製品にはない爽やかな風味はこの絶妙なブレンドの賜物だったわけです。紙パックは一部で継続販売されるようですが、まろやかな風味に切り換えられるとか。風呂上がりには紙パックより瓶入りが断然お似合いです。

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奇をてらった新商品より、長く愛されてきた定番商品が好きでついつい手を伸ばしてしまいます。NHK連続テレビ小説まんぷく」のモデル日清食品創業者の安藤百福さんが開発したチキンラーメンは、「明治フルーツ」と同じ1958年に発売されましたが、テレビ放映の影響もあって2018年の売り上げは過去最高を記録したそうです。生卵入りのチキンラーメンは小腹が空いたときには絶対に手放せません。チキンラーメンは常備しておくべき必須アイテムです。日本初の乳酸菌飲料「カルピス」も今年7月7日に発売100周年迎えます。2012年から会社はアサヒグループホールディングスの傘下に入っていますが、「カルピス」ブランドは健在です。ジムトレの後は、カロリー0の機能性表示食品「カラダカルピス」を愛飲しています。「明治フルーツ」もいつか復活してくれることを願っています。

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