銘酒「三諸杉」を鈴木都さんの瀬戸黒ぐい呑で頂く

高野山の宿坊で一泊した後、鳥羽に向かう途中、奈良県桜井市にある今西酒造を訪れました。WOWOWの銘酒誕生物語で知った今西酒造は、「三諸杉(みむろすぎ)」という銘酒を造っている350有余年続くこじんまりとした酒蔵です。14代当主の今西将之さんは、先代が急逝して経営危機に陥った蔵を数年で立て直した若き蔵人として知られています。

<三諸(みむろ)>は、<三輪>を表す古語だそうです。今西酒造本店は酒造りの神様として知られる大神神社(おおみわじんじゃ)のお膝元にあります。本殿が存在せず、三ツ鳥居から「三輪山(みわやま)」を拝するという自然崇拝がこの社の特徴です。「三諸杉」の仕込水は御神体三輪山」の伏流水、霊験あらたかな御神水が使われています。本店の店頭に吊るされた杉玉は、大神神社からの賜り物。三輪の里は杉玉発祥の地でもあり、大神神社から全国の酒造に杉玉が届けられるのだそうです。

店内で勧められた3本を買い求め、今宵は季節限定の純米吟醸「三諸杉 春酒ものがたり(無濾過生原酒)」を黒田陶苑から届いたばかりの瀬戸黒ぐい呑で頂きました。酒米は雄町、精米歩合は60%、アルコール度は15%。無濾過生原酒原酒というのは、いわば、すっぴんの日本酒のこと。細かいお米のカスの除去もされていませんし、殺菌のための火入れも加水もなしですから、酒蔵自慢の一本といえます。

色は白濁、適度な酸味があってフレッシュな味わいを楽しめました。リーデルの日本酒用のグラスで試してみても良さそうです。