2022年満開のダブル河津桜~後篇:「河津七滝ループ橋」・「まつだ桜まつり」~

初日は河津七滝ループ橋を通って国道414号線を北上、伊東市富戸(ふと)で1泊しました。天城峠にある河津ループ橋(1981年竣工)は通過するだけではなく、直下にある駐車場から見上げてみるとその威容を実感できます。駐車場の入口付近に、橋梁工学の権威者田中豊氏の功績を記念して設けられた「田中賞」を受賞したと説明書きがありました。二重ループ橋と共に斜面に咲き誇る河津桜を取り込んだ1枚は、今回のベストショットだと自惚れています。

2日目の帰路、横浜市に住む高校同級生イチ推しの「まつだ桜まつり」(会期:2/11~3/6・入園料300円)に立ち寄りました。桜まつりの会場は西平畑公園(松田山ハーブガーデン)。都内から直行するのであれば、東名高速大井松田ICアウトが至便です。松田山(標高568m)の南斜面にある会場に駐車場がありますが、収容台数が少ないので、迷わず酒匂川・河川敷の臨時駐車場へ直行するといいでしょう。健脚なら臨時駐車場から25分ほどで会場にたどりつけます。臨時駐車場からは会場までシャトルバスも運行されています。

伊豆・河津町からクルマで北上すること約110km、松田町の河津桜も見事な満開でした。期せずして満開のダブル河津桜と邂逅を果たせました、しかも、松田の河津桜には富士山という贅沢な取り合わせがあります。天気にさえ恵まれれば、空の青、冠雪した富士山の白、河津桜の紅紫に菜の花の黄という色彩のコントラストが興を添えます。混雑を厭わず出向く価値大だと思いました。くだんの友人曰く、会場から徒歩で12分ほどの場所にある「あぐりパーク」はさらに見応えがあるそうです。時間切れでこちらはお預けになりましたが、松田町の河津桜は伊豆・河津町に勝るとも劣らぬ存在なのです。

お花見を終え下山する途中に武家屋敷かと見紛うような立派な建物を見つけました。どうやら老舗酒蔵のようです。道を挟んだ店先で新春特別限定酒の試飲会が開催されていました。文政八年(1825年)創業の中澤酒造は小田原藩出入りの造り酒屋で、松田周辺の景勝に因んだ酒名「松美酉」を賜ったのだそうです。思わぬ振る舞い酒があったりして、いい旅の締めくくりになりました。