屋久島3泊4日の旅(後篇その1)|10年ぶりのヤクシマシャクナゲ当たり年に宮之浦岳登頂

連日の3時過ぎ起床。ぐっすり眠っている同室のふたりが起きないよう静かに布団を抜け出して、素早く身支度を整えました。屋久島遠征のハイライトは、この日(3日目)の九州最高峰・宮之浦岳アタックです。ホテルフロントで2食分のお弁当を受け取って、駐車場で装備点検したところ、てっきりトランクに置きっ放しにしていたと思い込んでいたトレックキングポールが見当たりません。5階の客室まで戻ると、ポールは框の隅に立てかけてありました。ホテルから淀川(よどごう)登山口までクルマで約1時間。前夜、入念に登山ルートを確認し、装備点検もしたつもりでしたが、思わぬ勘違いから予定より10分余り出発が遅れてしまいました。こんな些細なことで、存外、気持ちのゆとりが削がれてしまうものです。安全登山の第一歩は時間のゆとりを以て臨むこと、肝に銘ずべしです。

夜明け前、真っ暗闇のランド線をひたすら進みます。街灯はなく線形誘導標の類いもありません。先行車がいてくれたら気持ちにゆとりも生まれたのでしょうが、半時ほど、心細いハイビーム走行が続きました。前日のような雨が降っていたら、ずっと徐行運転が続いたことでしょう。やがてマイクロバスが後方から結構な勢いで迫ってきました。ヤクスギランドで路肩にクルマを寄せて先を譲ると、あっという間に抜き去っていきました。ツアー客を乗せたバスだったようです。夜明けとほぼ同時刻の5時20分に淀川登山口に到着すると、5台前後しかない狭い駐車場はすでに満車状態、先行したマイクロバスが手前の駐車スペースを占拠しています。やむなく後退して、百メートルばかり下った道路脇へ。先着2組のドライバーが親切にスペースを空けてくれたお蔭で、何とか写真・上のようにクルマ(3台の真ん中)を滑り込ませることが出来ました。聞けば、東京と千葉からやって来たパーティでした。出発前のホテルでは少々もたつきましたが、譲り合いの精神に救われて、宮之浦岳の日帰り登山は幸先のいいスタートが切れました。

登り始めてしばらくすると、駐車スペースを空けてくれた1組に追いつきました。驚いたことに先頭のひとりが素足で歩いています。素足で大地と繋がりながら歩くととても心地いいそうです。最近、注目されている「アーシング(earthing)」です。スマホなど電子機器を手放せなくなった現代社会において、私たちの身体は気づかないうちに電磁波で帯電しているそうです。「アーシング」には、こうした電磁波を身体から大地に逃がし、代わりに大地から自然のエネルギーを受け取るという効用があります。デトックス効果でしょうか。続きは続篇へ。