お詫びの手土産No.1「切腹最中」

先月、久しぶりに歌舞伎座売店を覗いたところ新正堂(しんしょうどう)さんの「切腹最中」を見つけました。観劇の後は売店(「1階お土産処木挽町」)を素通りするのでこれまで知らなかったのですが、どうやら演目ゆかりのお品が販売されているようです。八月納涼歌舞伎の第二部『新門辰五郎』であれば浅草老舗の「どらやき」といった具合です。

七月大歌舞伎・昼の部の演目は「忠臣蔵」の後日譚を題材にした『菊宴月白浪』でしたから「切腹最中」というわけです。ビジネス社会でお客様を不愉快にさせたり何らかの粗相をして迷惑をかけたとき、手土産を持参して謝罪するのが決まり。そんな折、ビジネスマンから絶大な支持を受けているお詫びの品が「切腹最中」なのです。スイーツ部門における数々の受賞歴にあってひときわ異彩を放つ勲章が「R25お詫びの品第1位」ではないでしょうか。

切腹最中」は新橋にある和菓子屋・新正堂の人気商品。かつてその場所に奥州一之関藩・田村右京太夫上屋敷があり、浅野内匠頭はこの屋敷で切腹をさせられたのだそうです。写真のように、最中の口が大きく開き餡子が飛び出しています。餡子のなかには求肥がたっぷり詰まっていて、思ったより上品な味わいに仕上がっています。

今度『仮名手本忠臣蔵』を観る機会があったら、また手を伸ばしてみようと思っています。