楽天グループ公募増資|受渡日の独り言

先月5月16日、楽天グループ(4755)が公募増資と第三者割当増資で約3300億円を調達すると発表しました。同社(以下、楽天G)の2022年12月期の最終連結損益は3728億円の赤字でした。赤字幅は過去最高、4期連続の最終赤字です。

不振を極めるモバイル事業への投資や社債の償還に充てるために、楽天Gは矢継ぎ早の資金調達に走っています。向こう3年で9000億円もの社債償還が待ち受けているのです(下は東洋経済作成)。今年4月に子会社の楽天銀行を上場させ717億円を調達しかたと思えば、翌月に西友HD株を米系投資ファンドに約220億円で売却したと発表し、今回のPOです。

赤字補てんのための楽天GのPOにはどうしても前向きになれません。一方、円安の恩恵か、日本株は絶好調。S証券の担当にはいろいろ便宜を図ってもらっているので(心中は)営業協力だと思って3000株発注。M証券の担当K君(新卒4年目)からも再三電話がかかって来たので、同じく3000株を発注。人気のあるPOだと、担当者は必ず「満額お取りできるかどうか分かりませんが」と言い繕います。

募集価格(566円・3%ディスカウント)が決まった翌日、S証券とM証券から相次いで「配分が決まりました」と電話がありました。

S証券 「何とか3000株お取りできました。」

M証券 「いつも大変お世話になっているので満額お取り致しました。」

赤字会社の超大型POにもかかわらず、言葉巧みに配分決定を伝えてきます。この段階で購入を断ることも可能ですが、以後、信用ならない客と扱われるので、内心「やられた」と思いながら「ありがとうございます」と御礼を云って約定しました。証券会社からすれば嵌めこみ完了です。営業協力とはいえ、正直、ロス覚悟の上で一刻も早く手放したい銘柄です。月刊誌「選択」が嫌なニュースを報じました。三菱UFJ銀行楽天Gの行内格付けを「正常先」から「破綻懸念先」相当まで落としたというのです・・・

受渡日は6月1日の今日。寄りつきは募集価格より11円高い577円。575円前後でうろうろする株価を横目で睨みながら、ザラ場で全6000株を売却しました。何とか微益で売り逃げられて、やれやれ・・・です。