「富士山の日」に【雪頭ヶ岳~鬼ヶ岳周回コース登山】~駐車場から登山口までが不案内でした~

さて、2月23日は何の日でしょうか?「富士山の日」と即答できた方は、山好きに違いありません。似たような語呂合わせから、「ふろしきの日」(つつみ)、また「税理士の日」(税理士法制定日)でもあります。2020年から11日の建国記念日に23日の天皇誕生日が加わり、2月は祝日が2日に増えた恰好ですが、行楽シーズンではないだけにいま一つ盛り上がりに欠ける気がしてなりません。この日、61歳を迎えた今上天皇日本山岳会会員(名誉会員ではなく正会員!)にして登山歴50年以上のベテラン、日本百名山も半分以上踏破しているそうです。誕生日が「富士山の日」とは、陛下と山との運命的な絆を感じてしまいます。

先週末の高尾山~陣馬山縦走に続き、23日(祝)も調子に乗って、早朝起床して雪頭ヶ岳(せっとうがたけ・1710m)をめざしました。視界の冴えわたる冬季に富士山と西湖をセットで眺望しようという目論見です。7時30分過ぎには西湖根場浜(さいこねんばはま)駐車場に到着、ところが見当違いな方角(周回下山口)へ進んだために、登山口にたどりつくまで約30分もたついてしまいました。雪頭ヶ岳はガイドブックに詳しく掲載されている山ではないので、コース情報は専らネット頼り。駐車場から登山口までのルートを念入りに確認しておくべきでした。写真(下山後の撮影)のように、駐車場から登山口へ向かう標識には「雪頭ヶ岳」と表示されていませんが、「十二ヶ岳」の方向へ数分ほど進み、比較的新しい戸建て住宅前の標識に従って、右手の道をまっすぐ進むと登山口へとたどりつけます。めざす雪頭ヶ岳は麓からはこう見えます(写真2枚目)。

登山口から樹林帯を抜けるまで約1時間、ようやく木立の間から富士山が見えるようになります。眺望が拓けてくると、俄然、元気が出ます。ただ、先週末とは一転、気温は10度近く下がり西から風が時折り強く吹いたため、ライトダウンジャケットはずっと着用したままでした。

1時間半ほどで山頂にたどりつけば、そこにはソロの女性とクッカーで調理中の3人組がいるだけ。緩やかな山頂斜面をほぼ独り占めして、真正面に聳える富士山と風を受けて太陽光を乱反射する湖面を見入ること暫し、至福のひとときでした。左手には河口湖、右手に視線を移せば精進湖本栖湖が視界に入ります。写真撮影と早めのランチを済ませると、お隣の鬼ヶ岳(1738m)へ向かいました。途中、凍結した路面も数箇所ありましたが、持参したチェーンスパイクを装着するほどではありませんでした。梯子を上った先の鬼ヶ岳の山頂スペースはかなり狭いので、居合わせた女性と入れ替わるように「鬼の角」に近づきカメラに収めると、すぐに下山を開始。ロープ備えつけの急坂が何箇所かあるので慎重に進みます。

雪頭ヶ岳山頂と共に印象的だったのは「南アルプスビューポイント」とでも称すべき巨岩のあるスポット(右上の写真)。天気さえ良ければ、此処に立つと、西の方角に南アルプス白峰三山、尖った甲斐駒ケ岳、北北西に八ヶ岳を捉えることができます。ハイシーズンは行列ができるかも知れませんが、冬季は狙い目です。

標識のある鍵掛峠で王岳ではなく根場民宿村の方向へ向かいます。ここまで来れば淡々と勾配のやさしい下山路を進むだけですが、ブナの落ち葉が10センチ以上積もった箇所もあるのでスリップには要注意です。藁葺き屋根の古民家が立ち並ぶ「西湖いやしの里根場」で周回コースは終了です。下界に降り立てばまるで春のような陽気、2月最終週とは到底思えない登山日和に心から感謝したのでした。