2020 聖夜のBCJメサイア X The Okura Tokyo

コロナに振り回された2020年は、コンサートをはじめとする舞台芸術の休演が相次ぎました。ベートーヴェン生誕250周年を記念する一連のコンサートを楽しみにしていた多くのクラシックファンが落胆したに違いありません。年の締めくくりくらいはサントリーホールで迎えようと、10月下旬に『メサイア』のディナー付きS席チケットを手配しておきました。<一年に一度の特別な夜を祝うにふさわしい、贅を尽くしたお料理をお愉しみください>というセールストークにまんまと乗せられました。コロナ禍の影響でゲストの数はそれでも例年より2割ほど少ないそうですが、ディナー会場に50名以上は着席していたでしょうか。池田総料理長自慢のお料理のクオリティもさることながら、ドリンク付きでシャンパーニュをはじめワインが進んで、すっかりほろ酔い気分に。

演奏は、2020年12月に創設30周年を迎えたバッハ・コレギウム・ジャパンBCJ)。一昨年、初めてBCJの『メサイア』を聴いて虜になってしまいました。2001年のサントリーホール公演以来、20回目を数えるBCJの『メサイア』は、今や『第九』と並ぶ歳末の風物詩です。2020年は、クラシック通の知人弁護士ご夫妻をお誘いして開演前にオークラでスペシャルディナーを愉しみ、その足でサントリーホールに向かった次第です。オークラからサントリーホールまで徒歩で5分前後、このディナー付き企画は病みつきになりそうです。

正面5列目までは飛沫対策から空席にしてありましたが、サントリーホール大ホールは2階席まで9割方埋まっていました。英グラモフォン賞(合唱部門)を受賞したBCJ合唱団とソプラノの松井亜希さんを中心とする日本人ソリスト4名による歌唱は、総じて鳥肌ものでした。トランペット独奏が崇高な音色を奏でるなか、バスが永遠の命を高唱する第三部終盤は最高に盛り上がりました。

アンコール曲は、初めて聴くクリスマスキャロル「トラディショナル」(鈴木優人:編曲)でした。感染症対策から、館内でのアンコール曲の掲示も中止、帰宅してサントリーホールのHPで確認しました。観客は常時マスク着用の上、ブラボーの掛け声こそありませんでしたが、2020年を飾るにふさわしい心に残る聖夜のコンサートでした。