「生誕110年香月泰男展」|神奈川県立近代美術館・葉山館 (前篇)

9月3連休最終日、神奈川県立近代美術館・葉山館を初めて訪れました。18日に開催したばかりの企画展「生誕110年香月泰男展」を見るためです。自宅から車で第三京浜~横浜新道~横浜横須賀道路経由約1時間30分、距離にして約63km。 思っていたよりずっとアクセスしやすいことが分かり、これまで葉山を訪れていなかったことを大いに後悔しました。開館時刻の30分前に現地に到着したので、葉山館の西側に広がる<一色海岸>を散策することに。美術館南側と<葉山しおさい公園>(緊急事態宣言下で9/30まで休園)の間の狭い道を1分足らず下っただけで目の前に穏やかな海岸風景が広がります。

この日は雲一つない快晴、波打ち際まで進んで、右手遠方に富士山を望む息を呑むような美しい景観にしばし見とれてしまいました。浜辺では、外国人家族がパラソルを立てて横たわり、カップルが愛犬と戯れています。海上では複数のパーティがカラフルなSUPを漕いでゆったりと移動しています。お隣の葉山御用邸付属邸跡地に開設されたのが<葉山しおさい公園>なら、同じく、旧有栖川宮葉山別邸跡地に2003年開設された美術館が<葉山館>なのです。いずれも皇族ゆかりの立地、背後の<一色海岸>はさしずめ皇族の方々のプライベートビーチだったわけです。明治時代なら、一般人が幾ら望んでも目にすることの叶わなかった眺望だったということです。(葉山海岸は現在「日本の渚百選」に選定されています)。

前置きが長くなりましたが、神奈川県立近代美術館・葉山館の最大の魅力はその立地にあります。設計者はプロポーザル指名で選ばれた(株)佐藤総合計画。2つのL字型建物に囲まれたボイドスペース(空所)を「中庭」にして、西側の海岸と北の三ヶ岡山(標高140m)を借景として取り込み、葉山の豊かな自然との調和を図っているのです。

*最近公表された<街の住みここちランキング2021|神奈川県版>(いい部屋ネット)では、鎌倉市横浜市西区などを抑え、三浦郡葉山町が堂々の1位でした。納得の結果ですね。

<中谷美紀>という生き方

今日の<あさイチのプレミアムトーク>に出演したのは中谷美紀さん。リアルタイムで視聴できなかったので、夕方、NHK+の見逃し配信でキャッチアップしたところです。2018年11月にウィーンフィル管弦楽団ビオラ奏者ティロ・フェヒナー氏と結婚した中谷さんは、現在、オーストリアと日本を行き来する生活を送っています。番組は、ふたりの住まいのあるザルツブルクの暮らしにスポットを当て、現地の生活に溶け込もうと奮闘する等身大の中谷さんを追っかけます。

中谷美紀さんを素敵な女優さんだと思うようになったきっかけは、2009年に放送されたNHKの『ドラマスペシャル・白洲次郎』でした。白洲次郎伊勢谷友介)の妻正子を演じた中谷さんの凛とした佇まいにすっかり魅せられ、以来、ずっと気になる存在です。白洲正子になり切るために1年間も能の稽古に励んだという役者魂は、彼女を端的に表すエピソードのひとつです。英語やフランス語を流暢に操り、ドイツ人と結婚された中谷さんは、一見、海外志向の強い方のようにも映りますが、どうして和装姿がとてもお似合いの正真正銘の大和撫子なのです。態度や表情が穏やかで、言葉遣いの美しさをMCの鈴木菜穂子アナが絶賛したほどです(字もとても美しいのだそうです)。

以前、日曜美術館で瀬戸内の直島の旅を取り上げたときの案内役が中谷さんでした。言葉と言葉の間(余白)をとても大切にされている印象があります。容姿端麗なだけでなく、豊かな感性(や美意識)と知性が見事にバランスしているのが中谷美紀さんの大きな魅力です。クラシック音楽(番組では名ピアニストにして指揮者のバレンボイムに遭遇した話はスルーされてしまいました)も含めたアート全般にも明るくて、番組でモロッコを舞台にした映画が紹介されると、「(フェルメールの)陰翳のようですね」と当意即妙の受け答えをなさいます。一番感心したのは、ご自身がヒロインを務める近日公開の映画「総理の夫」に触れ、役作りのために、メルケル独首相やフォンデアライエン欧州委員会委員長、ニュージーランドのアーダーン首相など諸外国の女性リーダーたちの姿やスピーチなどを参考にさせてもらったと述べ、こんな分析まで披露されたこと。

<彼女たちの共通点は、アンガーマネジメントがしっかりでき、女性であるが故に受けた不当な扱いも、憤りをそのまま見せるのではなく、むしろ笑顔で返すぐらいの懐の大きさを見せていたこと。スピーチの際も、声を張り上げるのではなく、淡々と時には温かく冷静な視点で発言していた>

番宣に際して、これほど聡明なコメントをされた女優を他に知りません。夫のティロさんから”Life is too short.(人生はあまりに短い)”と言われて、目から鱗だったと語る中谷さんは、現地暮らしの悩み(虫との闘い)とも上手く付き合いながら、日々、成長なさっているようです。ひとり娘のためにとドイツ語を習い、短期間で日常生活に不自由しないまでに上達されているとは驚きです。精神的にも経済的にも自立したふたりの国境を超えた結婚生活は、ひとつの理想形ではないでしょうか。

半年以上前に積読にしたままの中谷さんの書き下ろし文庫『オーストリア滞在記』が見当たりません。これから書斎を捜索です。

祝ギネス世界記録:「ゴルゴ13」単行本巻数は「こち亀」を抜いて世界一に

こち亀」の「週刊少年ジャンプ」連載が終了したのは2016年。「こち亀」の単行本全200巻を「ゴルゴ13」(連載開始は1968年)が抜き去ったと知って感慨を新たにしているところです(現在202巻)。作者のさいとう・たかを氏は84歳、体力が続くかぎり描き続けるそうですから、このギネス記録は他の追随を許さない金字塔であり続けることでしょう。東西ドイツを分断していた全長155km・高さ3.6mのベルリンの壁が崩壊したのは1989年11月9日。当時、東西冷戦終結ゴルゴ13は失業してしまうのではと心配した向きもあったようですが、完全な杞憂でした。因みに201巻は仮想通貨を取り上げているそうです。

ゴルゴ13」は「こち亀」と甲乙つけ難い傑作コミックで、コンビニでペーパーバック体裁の「別冊ゴルゴ」をよく買ったものです。「こち亀」のように全巻を読破したわけではありませんが、作者のさいとう・たかを氏、読者、各界著名人が選んだ<BEST13>を所収した極厚本(完全保存版)3冊を大切に保管しています。

その完全保存版を本棚から引っ張り出してきて、この記事を書いているところです。特筆すべきは、作画スタッフに脚本家が加わり、一話が数十頁に及ぶ大作である点です。軍事衝突や難民問題などの最新国際情勢にとどまらず、政治、経済、歴史、科学など取り扱うテーマがとてつもなく幅広くしかも深堀りしているので、飛ばし読みなどもってのほかです。一話をキチンと理解し読み切るには相当な集中力が必要です。「こち亀」の連載終了時にブログで言及したように、「こち亀」はちびっこから大人まで人が社会でよりよく生きるための知恵や勇気を授けてくれます。一方、正体不明のスナイパーが主人公の「ゴルゴ13」は、世界を知るための羅針盤的存在です。日本企業の海外駐在員には勉強のための「ゴルゴ13」を愛読している者もいるくらいなのです。つまらない学校の授業を聞くくらいなら、「こち亀」と「ゴルゴ13」を読めとちびっこに申し上げておきます。ギネス記録を競ったこのふたつのコミックを読破すれば、相当な知恵者になれること請け合いです。

ギネス世界記録認定を機に、完全保存版3冊を再読してみましたが、選ばれし作品だけあって質の高さは舌を巻くレベルです。ちなみに、リーダーズ・チョイスBEST1に輝いたのは「日本人・東研作」でした。完全保存版3冊から独断と偏見でマイベスト3を選んでみました。いずれも、愛読者の皆さんの記憶に残っている作品ではないでしょうか。

さいとう・たかをセレクションから:「MOSCOW DOLL」(次点:「死闘ダイヤ・カット・ダイヤ」)

リーダーズ・チョイスから:「病原体・レベル4」(次点:「G線上の狙撃」)

各界著名人セレクション:「白龍昇り立つ」(次点:「五十年の孤独」)

「カレド・ショコラ」とワインのスペシャルマリアージュ

先週、インパクトの強い朝刊一面広告に出会いました。全15段を使う広告が一面広告と呼ばれ、全国紙の場合、掲載費用は数千万円になるそうです。細かい活字がびっしり並ぶ記事に混じって、ドーンと商品が一面に登場すれば否が応でも読者の目は釘付けになります。

9月7日付け朝日新聞朝刊に掲載されたのは森永製菓株式会社の「カレ・ド・ショコラ」の一面広告でした。スタイリッシュな形状(「カレ」= carré[フランス語]で正方形)とおしゃれなパッケージデザインで知られる「カレ・ド・ショコラ」はお気に入りのチョコレートだけに、普段ならスルーする広告の中身までしっかり目を通してしまいました。

<「カレ・ド・ショコラ」はワインに合うチョコレートとしてトップソムリエに認定されました>

と大きなフォントで記され、その下には7種類の「カレ・ド・ショコラ」のパッケージが並んでいます。右下には<この世界に、エレガントなひとときを。>と添えて、オードリー・ヘップバーンがワイングラスを前に「カレ・ド・ショコラ」を指でつまんでいる写真が掲げられています。形状といい薄さといい、絶妙な一口サイズで、ワイングラス片手に口に運ぶのにもってこいです。

とてもセンスのいい広告だと感心しました。ワインのおつまみといえば、生ハムやナッツを思い浮かべがちですが、チョコレートとの相性は決して悪くありません。苦味・渋味の成分であるポリフェノールはワインとチョコレートに共通する成分ですから、似た者同士の取り合わせとして、もともと相性はいいのです。特に赤ワインであれば、苦味が先行するハイカカオのみならず、甘いチョコレートでもバランスは悪くありません。トップソムリエ諸氏は、チョコレートの種類に応じて、相性の良さそうなワインをチョイスしています。自分なら、ハイカカオ(カカオ70)X 赤ワインフルボディの一択でしょうか。

38年ぶりの仁左衛門&玉三郎の「東海道四谷怪談」を観て~2021年九月大歌舞伎第三部~

例年なら、9月の歌舞伎座公演は初代中村吉右衛門さんの俳号に因んだ「秀山祭」(2006年~)となるはずでした。ところが、昨年来、コロナ禍が継続している上、3月に救急搬送された当代吉右衛門さんは現在も療養中のため、2021年「九月大歌舞伎」は3部制(昨年は4部制)と相成りました。注目の舞台は第3部「東海道四谷怪談」。38年ぶりの仁左衛門(伊右衛門)&玉三郎(お岩)コンビ復活ということで、熾烈なチケット争奪戦となりました。ゴールド会員のアドバンテージを活かして先行予約で<トチリ席>を確保するつもりでした。が、こともあろうにすっかり予約日のことを失念、一般予約に混じってなんとか平日1等席を確保したものの、2階席7列目という残念な結果に。痛恨のミスとはこのことです。

東海道四谷怪談」は、忠臣蔵外伝(スピンオフ)として書かれた四世鶴屋南北の最高傑作にして、怪談物の頂点に君臨する名作。この歌舞伎演目をご覧になったことがない人でも、色悪民谷伊右衛門に捨てられ、恨みを募らせながら絶命したお岩が亡霊となって復讐する筋書きはご存じなのではないでしょうか。文政8年(1825年)7月の江戸・中村座初演では、初日を<仮名手本忠臣蔵>にして、2日がかりで上演したそうです。

今回は、5幕(以下)のうち序幕と大詰を除いた3幕を幕間を挟んで約2時間で見せる、いうなればダイジェスト版でした。「通し」で観劇できれば「提灯抜け」や「仏壇返し」のようなケレンも登場し申し分なかったのですが、コロナ禍ですから已むを得ません、辛抱です。救いのない筋書きだけに、端正な顔立ちの稀代の立役仁左衛門民谷伊右衛門を演じると憎たらしいほどの色悪の魅力が際立ちます。対して、お岩を演じるのは女形最高峰の坂東玉三郎さん。毒薬を盛られ形相が一転したお岩は、伊右衛門が取り上げ持ち去ろうとする蚊帳に縋り、ついには仰向けに蹴倒されてしまいます。赤子の着物まで取り上げられたお岩の最後の抵抗を玉三郎さんが迫真の演技で見せつけます。やがて、按摩の宅越(松之助)から事の真相を告白され、伊藤家へ乗り込もうと身支度を始めるお岩。最大の見どころ<髪梳き>を始めると、掻き揚げるたびにごっそりと髪が抜け落ち、膝の上に零れ落ちていきます。やるせない思いが下座音楽の独吟と共に増幅し、時間がとても長く感じられました。舞台を恐ろしい静寂が支配し、やがて凄まじい形相で立ち上がったお岩は、誤って刀で喉をついて絶命します。玉三郎さんの所作は男の自分が見ても感心するほどの美しさ。武家の娘お岩の矜持に至るまで繊細な心理描写を要求される場面場面を見事なまでに演じて分けてくれました。

振り返れば、2階席から俯瞰する視点も新鮮でした。江戸後期の作品でありながら、現代のスーパー歌舞伎と比べてもまったく遜色のない出来栄えのスペクタクルに仕上がっているのは驚異的です。お岩の分身、鼠を配したりと劇作家鶴屋南北の小技も冴えわたっています。江戸後期の世相(日常)を巧みに取り込みながら、非日常的存在亡霊を主役に据え、劇的な小宇宙を創り上げた劇作家四世鶴屋南北の才能にすっかり脱帽させられました。

令和の禁酒法下の<闇?営業>ならぬ<通常営業>

21都道府県に拡大発令されている緊急事態宣言の期限が今週末に迫っています。新規感染者数はようやく減少傾向に転じましたが、1都3県を中心に都市部の延長は不可避のようです。当然、酒類を提供する飲食店への休業要請も継続するはずです。これは端的に<酒類提供の禁止>を意味します。外食機会はめっきり減りました。ひとえに酒類提供が禁止されているからです。せっかくお店に出かけたとしても、酒類が提供されなければ食事は実に味気ないものになってしまいます。近年、ノンアル麦酒のクオリティはずいぶん改善されましたが、お代わりをするには至りません。酒類のカテゴリーの如何を問わず、食事とアルコールを不可分一体だと考えている多数の愛飲家にとって、目下の<令和の禁酒法>は拷問に近い仕打ちなのです。

4回目の緊急事態宣言(東京の場合)は延長されているので、いつから始まり何日経っているのかさえ、都民の大半は分からなくなっているに違いありません。緊急事態宣言慣れというより緊急事態宣言呆けに近い様相を呈しています。

7月12日発出~8月22日(42日間)→延長→8月22日~9月12日(22日間)→延長必至(9月30日までか?)

先週末、吉祥寺中心部を歩いていたら、お気に入りのとある飲食店が昼間から営業していることに気づきました。文字どおり、アルコール提供が主の飲食店ですので少し驚きました。帰宅して、当該飲食店のHPにアクセスすると、<通常営業>中とあります。<飲み放題>メニューもそのまま掲載されているので、思い切って、電話をして確認することに。

うりぼう:「食べログのメニューに<飲み放題>とありますが、ノン・アルコールなのでしょうか?」

お店側:「(店長らしき人物)電話では申し上げにくいのですが、当店はHPにありますように<通常営業>しております。」

うりぼう:「そういうことなのですね・・・あらためて予約の電話を差し上げます。」

緊急事態宣言下の休業要請はあくまでお願い。従順に休業要請に従っている飲食店への休業補償金の給付さえ滞っていると聞きます。酒類提供がメインの飲食店にとってはまさに存亡の危機。もはや辛抱の限界とばかり、<通常営業>へと舵を切ったばかりなのかも知れません。これを<闇営業>と呼ぶのははなはだ失礼というものです。さっそく、HPでメニューを確認して、緊急事態宣言解除予定日の日曜日に予約を入れました。飲食店を狙い撃ちにした<酒類提供禁止>という措置と感染拡大の因果関係はいまだに解明されていません。かすかなうしろめたさを感じながら、緊急事態宣言下、はじめて夜の飲食にチャレンジです。

(注)ネット上には<都内で20時以降やっているお店まとめ>なんてサイトが溢れています。

総理総裁は人相で選べ〜消去法で岸田さんか?〜

金曜日の9月3日、正午前、突然日経先物が200円以上急騰。TLを確認すれば菅総理自民党総裁選不出馬の報、株式市場のあまりにも露骨な反応に苦笑いしてしまいました。後手後手に回った新型コロナウイルス感染対策に、株式市場は数ヶ月前からダメ出しをしていたわけです。将棋であれば、とうの昔に詰んでいたということです。たった2日で日経平均は3.9%も上昇し、先物を見る限り、今日は3万円台を回復しそうな勢いです。前都知事舛添要一は「菅首相退陣祝賀相場」と揶揄しています。その上、9/6の東京の感染者数は968人、1ヶ月半ぶりの3桁台。菅総理退陣と共に感染者数の減少が加速するとはなんとも皮肉です。

菅総理退陣の背景には、安倍チルドレンと呼ばれる中堅・若手自民党議員(当選3回以下)から「菅さんが党首では衆院選を戦えない」という悲痛な声が日増しに高まっていたこともあります。

公職選挙法は、衆院議員の任期満了前6カ月前(4月21日)から衆院選の投開票日まで、候補予定者が個人ポスターを貼ることを禁止しています。ところが、公示までの間、党首や有名な議員らとのツーショット写真を使い、演説会などの行事を告知する所謂「2連ポスター」は認められており、5月頃はメディア報道も二階派を中心に菅さん一択という空気だったと記憶しています。自民党議員の豹変ぶりには呆れ返ります。<選挙の顔>とは、文字どおり、来たる衆院選を与党勝利に導いてくれる選挙の看板的存在。党首の人気が獲得票数に直結するわけですから、自民党が政権にとどまるためには、知名度に加え、リーダーシップ、国民への説明能力、政治的手腕、人柄等、すべてにおいて党首は秀でた存在であらねばなりません。

ところが、下馬評に上がっている総裁選候補(男性)のご尊顔から拝察するに、岸田さんを除けば皆さん、人相が芳しくないのです。菅総理の場合、目がいつも虚ろで、眼瞼下垂も手伝って、表情から生気が感じられません。満足なコミュニケーションさえとれない(というか一方通行だった)二流政治家が、コロナ禍という未曾有の国難にあって国の舵取りを任されたこと自体、日本の悲劇でした。東日本大震災当時のもうひとりの菅(直人)と同様です(名づけて<ワースト総理W菅>)。政治家としての資質や実績において、河野さんや石破さんは菅さんよりずいぶんマシには見えますが、これまた人相がよろしくありません。河野さんは、お父上やお爺さまに比べるとぐっと人相が悪くアトピーのせいか赤ら顔に見えますし、ねちっこい話し方で知られる石破さんからは目力が感じられません。おまけに、ふたりとも党内では<変人>で通っています。ネット上では、生理的に受けつけないという声が目立ちます。有権者は、故大宅壮一の名言<男の顔は履歴書、女の顔は請求書>の真意を本能的に嗅ぎ取っているように思えます。生き様や性格に加え、心根は自ずと男の顔に投影されてくるわけですから。

総理総裁の動静は常に映像とともに伝えられるだけに、消去法でテレビ映りが比較的マシな岸田さんに次期総理をお願いしたい。