行動食原論:イチオシはとらやの「小形羊羹」!

2週連続の山行は初めての経験。おいおい撮り溜めた写真をアップしていきたいと思います。山行に欠かせないのは、云うまでもなく目指す山の特徴とコースの隅々を事前に頭に叩き込んでおいた上で、必要な装備を再確認しておくこと。

もうひとつは食料の調達です。最近は夜明け前に登山を開始して昼前には下山するので、早朝にパンや牛乳を摂れば昼食は必ずしも必要ありません。おにぎり1つあれば足りるケースもあります。中級以上の山となると山頂直前の所謂<胸突き八丁>で、短い休憩方々、行動食でエネルギーを補給しておいた方がいいことに気づきました。

ヤマケイの『萩原編集長の山塾 実践!登山入門』(2018年6月刊)を読むと、野球のピッチャーに準え、軽くて食べやすくすぐエネルギーに変わるものとして次のような行動食が紹介されています。

先発:おにぎり・パン・どら焼・ビスケット

中継:煎餅・ナッツ系・エナジーバー・ドライフルーツ

抑え:ゼリー飲料・非常食系(コンデンスミルク等)

勿論、異論はありません。ただ、食べ物だけに好みは岐れるかと思います。個人的には食べて口が渇くような行動食は避けることにしています。貴重なPBを無駄に費消したくないからです。従って、ビスケットや煎餅はNGです。何といっても最強一番手は森永製菓の「inゼリー」です。最近は提携関係にある米ウィダー社の冠が外れ、「ウィダーinゼリー」ではなく森永自社ブランドを強調しています。「10秒チャージ、2時間キープ」のコピーは秀逸でした。先ず目を引くのがスパウト付きアルミパウチというパッケージ。実にオシャレです。加えて、エネルギー、マルチビタミンマルチミネラルと種類が豊富で短時間で摂取できる点を高く評価しています。初期投資として一定の装備さえ調えれば、山登りは財布に優しいスポーツです。その分、自分は少し高価でも「inゼリー」は常備します。

前振りが長くなりましたが、最近、試してみてゼリー飲料と並ぶイシオシだと思ったのはとらやの「小形羊羹」です。贈答品として貰ったことがあって以前から存在は知ってはいたのですが、自分で買うのは初めてです。勝手に<とらやのミニ羊羹>と呼んでいたのですが、正式商品名は「小形羊羹」です。風味の異なる5種類が市販されていて、好みは定番「夜の梅」と西表島産黒砂糖を使用した「おもかげ」(各税込292円)です。賞味期限は1年、重量風袋込で55g(正味50g)、カロリーは150kcal弱、具材にも依りますがおにぎり1個とほぼ同値です。化粧箱を外した透明のフィルムで包んだ登山羊羹を発売すれば、意外なヒット商品になるのかも知れません。

先日、「世界ふしぎ発見」にミステリーハンターとして登場したニュージーランド留学中の野口絵子さん(16)(父は登山家野口健氏)も、登山前のエネルギーチャージとしてとらやの「小形羊羹」を推奨していました。野口親娘もあらゆる羊羹を食べ尽してとらやにたどり着いたと言いますから、自分の見立ても強ち間違いではなさそうです。

ちなみにファンシーな化粧箱に収まった羊羹の方は「イスパハン」。ピエール・エルメ・パリの代表的フレーバーを生かしたとらやパリ店40周年記念商品だそうです。