新そばの季節

先週は大学時代の同級生ふたりと旧交を温めるべく、神楽坂にあるお蕎麦の名店を訪れ、個室でコース料理を堪能してきたばかり。そのときは新そばには少しばかり早かったので、爾来、無性に新そばが食べたくなって、週末はとうとう行きつけの老舗蕎麦店に足を運んでしまいました。

店先には、<2017年 北海道幌加内産 新そば入荷しました>と張り紙がありました。幌加内町は、そばの作付面積が3,200ヘクタール、生産量も2,900トンを超える日本一のそばの里として知られています。

大正13年創業の「本むら庵荻窪本店」のお蕎麦の魅力は、石臼挽き自家製粉の手打ちそばにとことんこだわっていることです。当日に手打ちする分だけ玄そばを挽くのだそうです。新そばは香りが立って色もきれいな薄緑色です。近年、低温保存技術が向上して夏でも美味しいそばが食べられるようになりましたが、季節感を愛でるには新そばのせいろ(一番下の写真)にかぎります。


「本むら庵荻窪本店」を贔屓にしているもうひとつの理由はお店の佇まいにあります。ほどほどの間口がありながら、宴席のある奥に向かって細長い設えです。雨天のせいか珍しく客足が少なく、この日は、和風庭園の臨める良席に案内されました。苔むした庭が雨に濡れてとてもいい風情でした。著名な盆栽作家の創作庭園だそうですから、お蕎麦だけではなく庭の景色も楽しめます。

〆のそば湯はお代わりまでして頂くことにしています。そば湯には米や小麦には含まれないそば特有のポリフェノールであるルチンが豊富に含まれていますので、アンチエイジングにうってつけです。