2026-01-01から1年間の記事一覧

長期金利3%の衝撃

9月1日、長期金利の指標である新発10年物国債利回りが30年ぶりに3%の大台を超えました。1996年9月以来の金利3%到達であり、市場では政策金利の到達点(ターミナルレート)が切り上がるとの観測が強まっています。9月2日付の日経新聞朝刊では、2027年末時点で…

17年ぶりの富士登山で分かった「富士山の現在地」〜激増する外国人登山者と忍び寄る危険〜

日本人にとって「一生に一度は登っておきたい山」とされる富士山。今月初旬、17年ぶりに一番人気の吉田ルート(山梨県)から登頂を目指しました。 いざ出発@5合目登山口今回もっとも驚かされたのは、外国人登山者の多さです。年間約20万人(2025年)の登山…

NHK夜ドラ『税金で買った本』で知る図書館のバックヤード

引っ越しをする際、我が家では徒歩圏内に公共図書館があるかどうかが大きな決め手のひとつでした。多額の税金が投入されている「知の殿堂」こと図書館が近くにあれば、何かと便利で重宝します。最近でこそインターネットで簡単に調べものができるようになり…

自宅庭先で採れたイチジクの真価

ここ2~3年、庭先のイチジクが豊作です。甘いイチジクは人間だけでなく、ヒヨドリやカラスなど鳥たちの大好物。専業農家でなくとも、特に収穫直前は油断できません。今年は粒ぞろいの実が無事に収穫できて、食卓に彩りを添えてくれています。数年前に処分し…

晩夏も食べたい冷や汁

食欲が減退しがちな夏場、ビジネス街でよく通っていたのが、胡桃そばや冷や汁を提供してくれるお店でした。8月最初の週末、槍ヶ岳登山の帰路にJR松本駅直結のMIDORI松本で半生の胡桃そばを買い求め、自宅で食べたところ、これがなかなかの美味でした。ちなみ…

日本株「18年ぶりの高変動率」に打ち勝つための投資戦略

2026年8月20日付の日本経済新聞(朝刊・グローバル市場面)に、「日本株、18年ぶりの変動率」と題した非常にインパクトのある記事が掲載されました。年初から8月19日までの153営業日のうち、日経平均株価が1日で2%以上変動した日は実に46営業日と、全体の3割…

シノワ渋谷店の逸品グラスワイン「シャンベルタン」

久しぶりに気の合う仲間たちとシノワ渋谷店に繰り出しました。平日18時、雑居ビルの8階に店舗を構えるワインラバーの聖地・シノワに5人が集まりました。今回は半個室を手配しておいたので、少々お喋りに興じても他のお客さんの迷惑になりません。シノワズリ…

NHK BSドラマ『笹まくら』で知る徴兵忌避者の末路

青春時代、作家・丸谷才一(1925-2012)の小説や評論に没入した時期がありました。けれども現在、書架に残っているのは『深夜の散歩 -ミステリの愉しみ-』だけです。福永武彦・中村真一郎・丸谷才一の共著であり、ミステリー小説のバイブルとして知られる…

NHK BSドラマ『勿忘草の咲く町で 〜安曇野診療記〜』が語った、本来あるべき死との向き合い方

このドラマは、志半ばで亡くなった親友の夢を叶えようと医師になったばかりの主人公・桂正太郎の成長物語です。原作者は信州大学出身の医師・夏川草介さん。『神様のカルテ』を読んで以来、気になっている作家のひとりです。舞台は、高齢患者で病床が埋まる…

77年ぶりのリバイバル写真展「ザ・ファミリー・オブ・マン」の現代的意義

日本橋高島屋に、伝説の写真展「ザ・ファミリー・オブ・マン」が戻ってきました。会期末は8月24日。閉幕まであと1週間です。 1955年発行の日本語版解説書「ザ・ファミリー・オブ・マン われらみな人間家族」この写真展は、70年前、ニューヨーク近代美術館(M…

改葬から15年、青山霊園今昔

東日本大震災のあった2011年、分家だった父親が建てた墓所を青山霊園に移しました。耳慣れない言葉ですが、墓所の引っ越しは「改葬」と呼ばれます。早いもので、改葬してから15年が経ちます。お盆の最終日である16日、家族でお墓参りをしました。 曇天の墓所…

23年ぶりの上演!歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」で『怪談 牡丹燈籠』を観劇

「八月納涼歌舞伎」にふさわしい演目『怪談 牡丹燈籠』が歌舞伎座で上演中です。忠臣蔵物として師走に上演されることも多い四世鶴屋南北の『東海道四谷怪談』と並び、怪談噺の双璧と言えるのではないでしょうか。念願かなって、23年ぶりとなる『怪談 牡丹燈…

完売・新作歌舞伎『もののけ姫』の完成度

先月末、7月から2か月連続で新橋演舞場で上演中の新作歌舞伎『もののけ姫』に足を運びました。新作歌舞伎は当たり外れが大きいので、あまり期待せずに臨んだのですが、見事な出来栄えでした。久しぶりに花道寄りの1等席を手配した甲斐があったというものです…

猛暑の夏こそマッコリ

夏のアルコールといえばキンキンに冷やしたビール、次点でしっかり冷やしたスパークリングワインといったところでしょうか。そんな食卓の定番を脅かす存在になりつつあるのが、マッコリです。なかでも最近のお気に入りが、麹醇堂(クッスンダン)の「プリバ…

はらぺこあおむしの誕生物語を紐解く「エリック・カール展」@東京都現代美術館

都立美術館の中で最も交通アクセスが悪いのは、東京都現代美術館かもしれません。地元の皆さんには恐縮ですが、半蔵門線・清澄白河駅から徒歩10分という立地は、山手線内にある東京都美術館、東京都庭園美術館、東京都写真美術館と比べると、どうしたって見…

魚卵パスタの変わり種~台湾土産の「からすみ」パスタ~

最近、知人に頼まれて証券投資のレクチャーをする機会がありました。受講生は、知人とその友人の台湾人女性のお二人です。ノートPCを開き、デモを交えながら約3時間のレクチャーを終えると、思いがけない御礼をいただきました。「烏魚子」と箱書きされた、立…

東京ディズニーランドのコストパフォーマンス(後篇)~ディズニーアプリの絶大な効用~

20187月からサービスが開始された「東京ディズニーリゾート・アプリ」。これを上手に使いこなせるかどうかが、パークを効率よく回るための最大の鍵を握っています。今回はチケット購入から戸惑うことばかりでしたが、ある程度は要領を掴めた気がします。入園…

東京ディズニーランドのコストパフォーマンス(前篇)~リピーターはオリエンタルランドの株主になれ~

東京ディズニーランド(以下、TDL)には苦い思い出があります。子どもが小さかった頃、あまりの混雑に嫌気がさして、妻とふたりの息子を置き去りにしたまま、夕方にひとり先に帰宅してしまったのです。仕事の疲れがたまっていたとはいえ、完全に自業自得。今…

繰り返し読みたい絵本|シェル・シルヴァスタインの”THE GIVING TREE”(邦訳『おおきな木』)

Eテレの「100分de名著」を録画して、タイムシフトで視聴することにしています。この3月に放送された絵本スペシャルで取り上げられた一冊が、『おおきな木』(あすなろ書房)でした。作者はシェル・シルヴァスタイン、原題は”THE GIVING TREE”です。2010年9月…

若隆景関が罹った「コンパートメント症候群」の経験談

7月7日付け朝刊の「若隆景休場へ」という小さな見出しが気になって記事を読むと、病院に緊急搬送されて「コンパートメント症候群」と診断され、手術を受けたとありました。実は、この耳慣れない疾患に罹ったことがあるため、それが一大事であることはすぐに…

雨天の日曜日にコーヒー豆を買う

年初の福袋でまとめ買いしたコーヒー豆のストックが切れたため、日曜日の午後、久しぶりに自家焙煎をしてくれる近所のカフェを訪れました。梅雨どきは外出が億劫になりがちですが、傘をさして最寄駅の周辺を歩いてみると、思わぬ新しい発見があるものです。…

川本三郎さんのエッセイを読み解く 〜「独生独死 独去独来」〜

ときどき、近所の図書館で雑誌のバックナンバーを手に取ります。男性向けのビジネス・カルチャー誌『GOETHE』や、東京の魅力を発信する情報誌『東京人』は、お気に入りの雑誌です。先日、昨年の『東京人』9月号に目を通していたところ、映画評論や文芸評論で…

Brexitから10年 〜「パンドラの箱」は開けるべきではなかった〜

この6月23日で、英国が欧州連合(EU)からの離脱(Brexit)を決めた国民投票から10年が経過しました。10年ひと昔と言いますが、新聞紙面でリマインドされなければ、それほどの歳月の流れを意識することはなかったかもしれません。振り返れば、当時「ブレグジ…

息子のマイカー購入に思う

来る8月に家族がもうひとり増えることになっている息子と、久しぶりに対面でじっくり話をする機会がありました。都内でも少し離れた場所(比較的家賃がリーズナブルとされる東京ノースエリアです)に暮らす息子は、実家にやって来るとき、いつもタイムズのレ…

NHKドラマ「ムショラン三ツ星」で知る今日の刑務所の食事

刑務所暮らしのことを「臭い飯を食う」と言います。といってもそれは、水洗トイレが普及する以前の戦前の話です。大小の汚物を溜める木樽が部屋に設置されていたために、刑務所の食事が「臭い飯」と形容されたのです。現在は、管理栄養士の指導の下、栄養バ…

太宰治生誕117年目の「桜桃忌」に鎌倉を訪ねて(後篇)~文部省唱歌「鎌倉」を諳んじていた太宰治~

何故、太宰治は〈心中〉の地に腰越(鎌倉市)を選んだのでしょうか。この〈腰越心中〉から5年後、彼は再び鎌倉を訪れ、深田久彌・北畠八穂夫妻宅を辞去した後、消息不明となり(未遂に終わったものの)八幡宮の裏山で縊死を図っています(帝大を卒業できず新…

太宰治生誕117年目の「桜桃忌」に鎌倉を訪ねて(前篇)~〈腰越心中〉の舞台「畳岩」に立つ~

先週の金曜日、6月19日は太宰治の忌日「桜桃忌」でした。今から78年前の6月13日深夜、太宰は愛人の山崎富江と共に東京・三鷹の玉川上水に入水しました。ご遺体が見つかったのは6日後の6月19日。奇しくもその日は太宰の39歳の誕生日でした。文人の忌日は数あ…

平山周吉著『満洲国グランドホテル』を読んで 〜見果てぬ夢の光と影〜

司馬遼太郎生誕100年目の「菜の花忌」(2023年)に、東大阪市文化創造館で開催された記念シンポジウムの席上で、『満洲国グランドホテル』(芸術新聞社刊)の著者・平山周吉氏が登壇し、司馬遼太郎賞受賞記念スピーチを聴いたのが、本書を手にするきっかけでし…

お中元に旬のサクランボ「紅秀峰」を奮発

先週、旅先の山梨県南アルプス市にある体験型複合施設「fumotto(フモット)」で、「紅秀峰(べにしゅうほう)」と呼ばれるサクランボの存在を知りました。これまでサクランボといえば、20世紀最高品種と称される「佐藤錦」一択だと思い込んでいたので、まさ…

池井戸潤の新作『ブティック』から学ぶプロフェッショナリズム

先月、「週刊ダイヤモンド」の連載が単行本化された『ブティック』は、前作『俺たちの箱根駅伝』以来、約2年ぶりとなる池井戸潤氏の新刊です。著者が新卒で都銀(三菱銀行)に入行し、支店勤務を経験したバックグラウンドは自分の20代の経歴とも重なるため、…