<ジモティ―>が思わずリピートしたくなる薪火肉料理店|「かまど焼 NIKUYOROZU」

去年の暮れ、吉祥寺で同級生と会食をした際、「食後のカフェもジモティ―に任せるね!」と言われて、面食らってしまいました。<ジモティ―>とは地元の人を指す若者言葉だそうです。なまじ、地元情報を掲載・閲覧できる無料掲示板サービスを提供する「ジモティ―」という名の新興企業を知っていたせいで、一瞬、混乱してしまったのです。こんなとき、さりげなく洒落たお店を紹介できれば<ジモティ―>の面目躍如、常日頃から飲食店を開拓しておくのが<ジモティー>の心得というものです。

自宅が三鷹と吉祥寺の中間にあるせいで、徒歩圏の外食となると、どうしても選択肢の多い吉祥寺商圏に偏りがちです。残念なことに、チェーン店ばかりのJR三鷹駅周辺にはリピートしたくなるような個性的な飲食店が少ないのです。

JR三鷹駅南口から徒歩数分の本町通り沿いに「かまど焼 NIKUYOROZU」がオープンしたのは2022年5月。経営母体はRHグループ、CEOの竹松弘光氏は三鷹出身だそうです。「かまど焼 NIKUYOROZU」は、同地にあった系列の居酒屋がフルリニューアルして誕生しました。写真のように外から内部を窺うことが出来ません。本町通りを歩くと、否応なく精肉を納めたショーケースが目に飛び込んできます。一見さんには敷居が高そうに映るお店です。

先週末、開店以来ずっと気になっていたこのお店を訪ねました。店内は想像していたよりずっと広く、奥まったテーブル席に案内されました。JAZZが流れ、内装もシックでなかなかいい雰囲気です。外気温は3度前後の2月第1週ですから、お客さんは少な目かと思いきや、すでに数組が食事中でした。18時に入店し、19時を過ぎた頃にカウンター席が満席になりました。食べログの評点は3.6。コース料理は、小豆島のオリーブ牛のお刺身に始まり、ひと品ひと品、期待を裏切らない内容でした。ワインはカベルネソーヴィニヨン主体の赤ワインを合わせました。なかでも、濃い目のアツアツ昆布出汁をかけて頂く、小豆島のオリーブ牛を使った「リブとろ椀しゃぶ」(写真左下)は逸品でした。冬季メニューのいち推しです。メイン料理にして看板メニューは「薪火の原始かまど焼」。蝦夷鹿のロースを選択、グループの場合、肉塊を薪火で焼くので全員同じ肉種をオーダーすることになります。付け合わせは、岩塩、タスマニアマスタード、生黒胡椒の3種に特製ソースが供されます。タスマニアのラム(肩ロース)や愛媛のみかん猪(肩ロース)は、次回以降にチャレンジします。火加減が難しい薪火の肉料理ですが、外はこんがり、中心部はレアの極上の仕上がりでした(写真右下)。竃を望むカウンター席なら五感で薪火の肉料理が楽しめそうです。

〆は土鍋ご飯にお味噌汁。六甲シャンピニオンにかまど焼オリーブ牛を混ぜたボリューム感たっぷりのひと品。デザートは胡麻風味のジェラートにほうじ茶。コース全体のクオリティと共にしっかりゲストを満足させてくれる食事のボリュームを高く評価します。リピート決定の名店に出会えて、内心、快哉を叫んでいるところです。