真冬に咲くピンクのオリエンタルリリー

千両や松に代表されるお正月飾りが姿を消すと、忽ちリビングやダイニングが殺風景になります。例年、我が家では代わりに啓翁桜を活けて彩を添えることにしています。

先月末のスポーツジム帰りに、行きつけの花屋さんに立ち寄って、啓翁桜と共にピンクのオリエンタルリリー3本束(税込み1100円)を買い求めました。大輪のリリーが目を惹いたからです。百合の本来の季節は夏ですが、今や、生産調整によって年間を通して、ハイブリッド種のリリーが入手できるのです。1月31日は「愛妻の日」だそうです・・・花屋さんの店頭には心なしか男性客が多かったように思います。

暖房の効いたリビングの花瓶にオリエンタルリリーを活けると、直ぐに上品な香りを漂わせ、華やいだ雰囲気を醸し出してくれます。ユリの女王「カサブランカ」(こちらも広義のオリエンタルリリーです)の芳香には及びませんが、ピンクのオリエンタルリリーの存在感は「カサブランカ」に決して引けを取りません。室内が暖かいせいで蕾も次々と開花していきます。蕾が少し開いたら、雄蕊の先っぽにある花粉の詰まった葯(やく)を丁寧にピンセットでつまんで取り除きます。全部で6本あります。花粉で花弁を汚さないようにするためです。開花中は水分の吸収力が強いので、水やりを怠らないよう気をつけます。

同じピンクであっても、3本束それぞれ少しずつ景色が異なります。花冠内部の白いものあり、全体がピンクで斑模様もあります。花粉も赤だけでなく黄色もあります。前述したとおり、ピンクのオリエンタルリリーの価格は「カサブランカ」にの半値以下です。ひと足早い春を感じさせてくれるピンクのオリエンタルリリーにすっかり惚れ込んでしまいました。