JALと共産党に女性トップ誕生

新年早々の海保機衝突事故で乗客を全員無事脱出させたJAL のトップに女性が就任しました。ジェンダーフリーの今日、決して驚いてはいけない人事ではありますが、ANAと並ぶナショナルフラッグ・キャリアに客室乗務員出身の女性トップと来れば、昭和生まれは否応なく過剰反応してしまいます。


JAL・HP


JAL HP記載の略歴

しかも、社長に就任する鳥取三津子(59歳)氏は、JALプロパーではなく2004年にJALに統合された日本エアシステム(旧・東亜国内航空)の出身。企業買収においては、飲み込まれた方の会社の社員が冷や飯を食うのが通例。昨年からCCOを務めていた鳥取さんの昇格人事は至極当然の成り行きだったのでしょう。映画『ハドソン川の奇跡』を彷彿させる冒頭の奇跡的脱出は、「安全とサービスの2つが、私のキャリアそのもの」と語る新社長のリーダーシップの賜物に違いありません。性別や出身に囚われない実力本位のトップ人事を実現してみせたJALを見直しました。

昨日、共産党委員長が23年ぶりに交代しました。新委員長は田村智子(58歳)氏。共産党の党勢は先細る一方です。新聞報道によれば、党員数は全盛期の50万人(1990年)から25万人まで落ち込み、機関紙「しんぶん赤旗」の購読者は往時から85万人とこちらも半減しています。こちらは、志位長期政権に対する党内の不満を払拭する狙いが見て取れます。メディアは志位議長の院政が継続するのではないかと見ているようです。

民主集中制」を掲げ、異論を封じ込める共産党の体質は、時代錯誤というほかありません。象徴的なのは選挙によらない後継指名です。客寄せパンダよろしくトップの看板を変えただけでは、共産党に明るい未来は訪れません。今般の自民党の政治資金パーティをめぐるキックバック不記載問題を最初に告発したのは、「しんぶん赤旗」だそうです。政権与党の急所を突く野党らしい働きを見せる力があるのですから、女性党首の下、体制を改め飛躍の足掛かりにして欲しいものです。