明月院の異名は「うさぎ寺」?

近所の玉川上水縁に紫陽花が咲き始めました。久しぶりに「あじさい寺」で知られる明月院を訪れたいと思い、先週末の土曜日、湘南新宿ラインで北鎌倉に向かいました。接続がいい時間帯だと中央線から新宿乗換えで1時間ちょっとで現地到着です。9時半過ぎに北鎌倉駅で下車すると、大勢の観光客が円覚寺前で屯していましたが、幸い、明月院に向かう人は少な目でした。

細かい寺歴は割愛しますが、明月院の創建は1160年、足利三代将軍義満の治世で本院・禅興寺が関東十刹の首位となり、支院の明月院が今日まで存続しています。

鎌倉のハイキングコースを歩くと、切り立った岩肌にぽっかり空いた洞穴をよく見かけます。これは「やぐら」と呼ばれる中世の墳墓です。開山堂の左手の「明月院やぐら(羅漢洞)」は、鎌倉最大の「やぐら」だそうです。三方を山で囲まれた古都・鎌倉らしい景観です。

古刹の明月院で目を引くのが可愛らしいお地蔵さんです。写真のように「花想い地蔵」が今が旬の紫陽花を抱えていました。以前拝観した折にはなかった「ウサギ共和国」と命名されたうさぎ小屋が現れました。拝観口先の小さな橋では、欄干越しにせせらぎを眺めるウサギとカメのオブジェを見かけました。月の模様を餅つきするウサギに例えるのは万国共通ではないようですが、帝釈天がウサギを月で蘇らせたとする幻想的な仏教説話は、明月院にこそふさわしい気がします。

表参道の両脇の紫陽花は、手が掛からないからという理由から先代住職の発案で植えられたそうです。方丈の悟りの丸窓越しに奥庭を望むお座敷の手前には、花菖蒲が活けられていました。お地蔵さん然り、今流行りの<インスタ映え>を先取りするかのような明月院のサービス精神には熟々感心します。

少し早めの<明月院ブルー>を愛でたついでに、明月院のほぼ真北に位置する六国見山(ろっこくけんざん)(147m)までハイクしました。山頂標識に気づかず通り過ぎてしまい、展望の利いた場所から引き返しました。ヤマスタの鎌倉ハイキング、残すは衣張山と祇園山です。