東京ミッドタウン日比谷のプロムナードが素晴らしい!

かつて鹿鳴館のあった日比谷に東京ミッドタウン日比谷がグランドオープンしてから1ヶ月あまり。GWも過ぎれば混雑が緩和されるかと、昨日、銀座黒田陶苑の個展を覗いた足で竣工したばかりの複合施設を見て回りました。

商業施設といえば圧倒的なブランド力を誇る銀座が東に展開し、北へ行けば丸の内の大家さん三菱地所が仲通りをファッショナブルなストリートに変貌させてしまいました。これまで人の流れが今いちだったのは真空地帯の日比谷。そこへ、防衛庁跡地の六本木エリアにミッドタウンを建設して大成功を収めた三井不動産が殴り込み。同社が満を持して臨んだ一大プロジェクトが東京ミッドタウン日比谷というわけです。

先ず外観、皇居や日比谷公園など周辺環境との調和を心掛けた点を高く評価します。6Fの<パークビューガーデン>へ上がれば、濠を挟んで皇居の緑と日比谷通りの街路樹の緑が目を和ませてくれます。さらに、日比谷通りの外観は旧三信ビルの壁面を踏襲した設えにして、以前の周辺佇まいを活かしています。日本工業倶楽部会館ファサード保存再生とまではいきませんが、取り壊された歴史的価値の高い建築物の外観デザインを活かした新旧建物の融合は大歓迎です。

フランスやイタリアの街並みに比べて東京がどうしても見劣りするのは、街並みに統一感がないこと。石畳を中心とするプロムナードが整備されていないのも大きなマイナスです。コンクリートやインターロッキングの歩道ではそもそも心が弾みません。その点、今回のプロジェクトは、日比谷シャンテと旧三井銀行本店の間の歩道を愉しめるプロムナード(遊歩道)へと大胆に変身させてくれました。

歩道の地権者が三井不動産で公道ではなかったことも幸いしたのでしょうか。色彩豊かなアルゼンチン斑岩を曲線にベースレイアウトし、明るい石材をリーフ状に添えてアクセントを加えています。六本木ミッドタウンに比べてプロムナードが公道から隔絶された結果、ベンチで腰を下ろしたりイートアウトできる情緒溢れるオープンスペースが整いました。<日比谷ステップ広場>はさながらローマのスペイン広場です。同じように斑岩が敷き詰められた丸の内仲通りとの調和を意識した点も素晴らしいと思いました。地下鉄に直結する<日比谷アーケード>は、NYのグランドセントラル駅のアーチかと錯覚しそうになりました。。開業当初の混雑が収まり、街路樹のケヤキが生育してきたらこの一帯、都会のオアシスになること、間違いなさそうです。