晩秋の新宿御苑

数年ぶりに新宿御苑を訪れました。先週末、近くの新宿区立四谷区民ホールで開催される「紅葉と鏡花」の講演会&朗読会に誘われたので、その足で立ち寄ったのです。桜の季節に度々訪れたことはありますが、晩秋は初めてです。講演会場に近い大木戸門から入園しました。コロナ禍で遠ざかっていた間に、「新宿御苑ミュージアム」(2022年12月3日オープン)が出来たり、休憩所がリニューアルされたりとずいぶん様変わりしています。快晴で風もない穏やかだったので、来園者は多く外国人も大勢見かけました。

大木戸門から入園してしばらく左手へ進むと、美しい「整形式庭園」が現れます。中央にバラ花壇を配し、プラタナスの並木が2組4列、シンメトリーに広がっています。プラタナスの和名は「鈴懸の木」、新宿御苑プラタナスの品種は「モミジバスズカケノキ」です。黄葉のピークは過ぎていたものの、ここだけ切り取れば、パリのリュクサンブール公園に見紛わんばかりです。西に広がるのはイギリス「風景式庭園」。シンボルツリーはユリの木です。雲ひとつない真っ青な空を突き刺すように屹立するのがドコモタワーです。

講演会が終わる時分はもう黄昏どき。エレベーターホールに向かう途中、窓越しに西の空を眺めると、ドコモタワーの左手に富士山が見えます。国立競技場方向を望むもう1枚の上空には飛行機が見えます。講演会の思わぬ副産物は、マジックアワーのフォトジェニックな光景でした。