玉川上水のアナベル~三鷹橋からむらさき橋へ~

玉川上水に架かる三鷹橋とむらさき橋間をよく行き来します。最寄り駅への最短経路だからです。玉川上水の南側には「風の散歩道」と呼ばれる遊歩道が整備されています。JR三鷹駅からジブリ美術館へ通じる道でもあるため、コロナ前は外国人観光客の往来が盛んな通りでした。三鷹駅の北口にあるスポーツジムへ通うときは、玉川上水の北側(武蔵野市)を歩くことにしています。近年、北側にも立派な遊歩道が整備され、一人掛けの休憩用ベンチも設置されたため、ペット同伴で散歩する人やジョギングする若者をよく見かけます。

梅雨入りしたこの時期、アジサイの花がひと際鮮やかで目を楽しませてくれます。地図上、星印で示したあたりにボリュームたっぷりの真っ白なアジサイアナベル」が見られます。咲き始めは淡い緑がかったライムグリーンですが、最盛期は写真のように純白へと花色が変化します。「アナベル」は北アメリカ原産の西洋アジサイの一種です。ワイルドハイドランジアという品種を改良した園芸種ですから、玉川上水縁りにもともと自生していたわけではありません。誰が植えたのか分かりませんが、毎年この時期に見事な花を咲かせるので、近くで立ち止まって鑑賞する通りすがりの人をよく見かけます。花言葉は「ひたむきな愛」。野生種・園芸種とり混ぜて品種は3000種以上あるとされるアジサイのなかで、可憐な毬姿が特徴の「アナベル」が一番のお気に入りです。生命力が強く剪定も簡単だと言われる「アナベル」ですが、然るべき時期に玉川上水の管理者である東京都水道局が業者に剪定を依頼しているのでしょうか・・・?ほったらかしでもこうして毎年開花するものなのでしょうか、玉川上水の不思議のひとつです。

アジサイの色は土壌のpHで決まります。酸性が強ければ青に、アルカリ性が強ければ赤にという具合です。日本の土壌は弱酸性ですので、青や青紫のアジサイが多いように思います。その点、「アナベル」は花色こそ徐々に変化しますが、植栽場所にかかわらず、基本色がホワイトである点も愛される所以かも知れません。

アナベル」が咲いている付近で「ガクアジサイ」も見かけます。中心に密集している蕾のような部分がはなびらで、その外側にはなびらを守るために葉っぱが変化したガク(装飾花)があります。ガクの方がはなびらのように見えますが、あくまで中心部分がはなびらです。ホンアジサイとは違った野趣が感じられて、白いガクを持つ「ガクアジサイ」も好みです。「ガクアジサイ」にも優に数十種類の品種があるため、写真の「ガクアジサイ」がどんな品種なのか、まだ特定できていません。