2017年天皇誕生日の一般参賀

今上天皇のご退位が2019年(平成31年4月末)に本決まり、平成の御世もあと一年余り。皇太子一家がどちらかというと内向きな印象を与えがちなのに対し、天皇皇后両陛下の過去30年間の歩みを振り返れば、一度は天皇誕生日一般参賀しお慶び申し上げたいという思いが募り、昨年12月の天皇誕生日に皇居を訪れました。二重橋を渡って丸の内方向を振り返ると皇居前広場はかくの如しです。

自分と同じような思いに駆られた国民が多かったせいでしょうか、翌日の新聞には平成最多の5万2300人が84歳を迎えた天皇陛下を祝福するために参賀したとありました。160メートルあるという皇居で一番長い建物長和殿の前は参賀の人で溢れんばかり、天皇陛下御一家がお出ましになると日の丸を振る人やカメラに遮られ、前の方に進めないとなかなかお姿を捉えることができません(下の写真はかろうじて全景を捉えた一枚です)。天皇誕生日のお出ましは午前中に3回、出来れば8:00くらいから皇居前に並ぶと比較的前の方で両陛下を臨むことができるかと思います。入場前に手荷物チェックとボディチェックがありますから早いに越したことはありません。2018年12月23日は陛下が天皇として迎える最後の誕生日になりますから、長和殿前は全国から参賀に訪れる国民で溢れ返ること間違いありませんね。


今上天皇の足跡のなかで真っ先に頭に浮かぶのは戦地慰霊の旅のことです。海外戦没者やその遺族に対して格別のお気持ちを寄せていらしたのでしょう、記憶しているだけでも、数多くの戦地を訪れています。3年前のペリリュー島訪問は、両陛下にとって最期となるかも知れない慰霊の旅、いわば激戦地慰霊の旅の集大成だったのかも知れません。

2004年(平成6年)硫黄島
2005年(平成7年)サイパン島・広島・長崎・沖縄(戦後60年
2015年(平成27年)フィリピン・ペリリュー島

東日本大震災のときも5日後に陛下はビデオメッセージを通じて震災に苦しむ国民に温かい言葉をかけられ、翌月には被災地を訪れています。「これからも皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています」という言葉は国民ひとりひとりに深く刻まれたに違いありません。常に苦しむ国民に寄り添う両陛下の姿勢には本当に頭が下がります。どうか、ご退位後はゆっくりと心身をいたわって欲しいものです。