露地栽培のアスパラガスの旬は、5月から7月です。以前、一度だけ裏磐梯の畑で採れたばかりの新鮮なアスパラガスを生で食べたことがあります。あのとびきりの美味しさは、今でも忘れられません。そんな大好物のアスパラガスですが、つい最近、雌雄異株だと知りました。イチョウやキウイフルーツのように、株にオスとメスがあるのです。
けれども、スーパーで雌雄を表示したアスパラガスは見かけたことがありません。調べてみると、オスのほうが病気に強く、収穫量も圧倒的に多いのだそうです。そのため、最近はオスばかり育てる「全雄品種」が増えているようです。そうなると、普段私たちが口にしているのはオスが多いのでしょうか。俄かにメスのアスパラガスを食べてみたい、という衝動に駆られています。
見分け方を調べてみると、全体的に細めで穂先がやや開き気味なのがオス、全体的に太めで穂先がぎゅっと締まっているのがメスだそうです。アスパラに雄雌の違いがあることを知った妻が、早速スーパーで見かけたアスパラガス「さぬきのめざめ」の写真を送ってきました。いざ判別しようと細部を観察してみたものの、これが存外難しいものです。それもそのはず、香川県のオリジナル品種「さぬきのめざめ」は、雄株と雌株を交雑した早生品種でした。
そんな折も折、98歳の歌人・馬場あき子さんが新歌集『アスパラの芽立するころ』(KADOKAWA)を上梓されました。ブックタイトルになった歌は、北海道にゆかりのある歌友からアスパラを贈られて詠んだものだそうです。
〈春の雨北の大地にアスパラの芽立する日かもろ手うるほふ〉
雨を浴びて勢いよく芽吹くアスパラ。それがオスなのかメスなのかは分かりませんが、瑞々しい命の恵みを、今シーズンも食卓でじっくり味わいたいものです。

