日銀追加緩和のインパクト〜官製株高と円安の行方〜

昨日14時過ぎ、日経先物が突然300円余り跳ねて凄まじい勢いで上昇し始めたので日銀の追加緩和を確信しました。この日の追加緩和を予想したエコノミストは僅かに3名、黒田バズーカ第二弾は極めつきのサプライズ発表となりました。この日はたまたまPCに張り付いていたので、近年記憶にないほど凄まじい上げっぷりを、肌で感じることができました。

先物動意の瞬間、日経ネットで事実確認をしようとしましたが、なかなか速報が打たれません。次善の策とばかり、「追加緩和」でリアルタイム検索をかけると<日銀追加緩和決定>の書き込みが目に飛び込んできました。ネット社会はメディアより遥かに素早く反応していたのでした。直ちに指数買いでもすれば良かったのですが、緩和の中身が報道されるまではと、結局この日は引け間際にレバレッジ取引のロングポジションを少し利確してお仕舞にしました。日経平均終値は16,413.76(前日比+755.56円)でした。、

直近安値を記録した2週間前の10月17日の日経平均終値14.532.52円から何と12.9%もリバウンドしたことになります。常々思うのですが、トレーディングの収益は辛抱した時間に正比例するものですね。今年は相場が突然変調を来たし幾度か試練を経験させられました。特に10月は胆を冷やす場面が多かっただけに、追加緩和は嬉しい誤算でした。Sell in Octoberじゃないかと思ったくらいです。

週明けの株式市場は、GPIFの資産構成の変更も手伝って未曽有の上昇を期待できそうです。31日の塩崎厚労大臣のアナウンスメントはまるで日銀と示し合わせたかのようでした。GPIFが大きく減らす国債を日銀が買い受けることで当面債券相場の混乱は回避されます。これで、消費税引き上げは既定路線となったに違いありません。財務省OBの黒田総裁にしてみれば<してやったり>でしょう。5-4の薄氷の決定は、年末に向けていかなる相場を主導するのでしょうか。副作用も気になります。

官製株高によって、短期的には機関投資家個人投資家も我が世の春(秋か?)を謳歌することになりますが、一体いつまで続くのかが気懸りです。今朝、為替相場を確認すると、ドル円は112円台に、ユーロも買い戻され140円台を回復しています。

<桐一葉落ちて天下の秋を知る>と云います。去年のように誰でも勝てた相場は当分やってこないでしょう。次のモメンタム(調整)がいつやってくるのか、その兆しを察知できるかどうか、個人投資家の真価が問われるこれからです。