1年で株価が倍になったエヌビディア(NVIDIA)の正体

生成AIブームに乗って、AI半導体の世界シェア8割を握るエヌビディア(ticker symbol:NVDA)の株価が急騰しています。先ずは株価チャートをご覧下さい。直近1年のリターンは100%超え、年初来の上昇率は約70%です。5月30日に時価総額が1兆ドルを超えたと報じられたばかりです。急成長したGAFMを彷彿させる勢いです。数年前までゲーム向けGPUの会社だとばかり思っていましたが、事業領域は生成AIや自動運転車開発へと大きく拡大しています。

エヌビディアはNASDAQ100を構成する銘柄で、米国株式の時価総額ランキング(6/3現在)でアルファベットを抜いて第4位まで浮上しています。同社が開発するのは”GPU(Graphics Processing Unit)”と呼ばれる高速画像処理に長けた半導体です。パソコンに搭載されている"CPU(Central Processing Unit)"と一文字違いですが、役割には顕著な違いがあります。

中央演算装置と称されるCPUがパソコン中央であらゆる作業の処理を行う頭脳部分だとすれば、GPUはそのCPUを助けて画像処理部分に特化して処理を担当する専門部署に当たります。週刊東洋経済4/22号によれば、ChatGPTは1万個ものエヌビディアのGPUを駆使して学習しているのだそうです。画像生成や自然言語生成をするには大量のデータや複雑なAIモデルを処理する必要があり、CPUでは厖大な計算量に追いつかないようです。

ライバル会社のグーグルやアマゾンなどテックジャイアントも手をこまねいているわけではありません。GPUをめぐるシェア争奪戦の行方から目が離せません。