テイカカズラの白い花に集まるクマバチ

今年の桜開花宣言(東京)は3月14日でした。2020年、2021年と並ぶ観測史上最速の開花です。この勢いを受けてバラの開花も平年より10日くらい早い印象です。GW前半には見頃を迎えました。写真は自宅のクライミングローズ、レオナルド・ダ・ヴィンチです。クォーター・ロゼット咲きのこのバラは鮮やかなピンクと華やかさが持ち味です。

5月中旬、自宅フェンスのテイカカズラキョウチクトウ科テイカカズラ属)が開花し1週間足らずで満開になりました。プロペラ状の白い花を咲かせます。甘い香りが辺り一帯に漂うので、宅配の人に屡々花の名前を尋ねられます。漢字で「定家葛」と書きます。後白河法皇の皇女・式子内親王に身分違いの恋をした定家が、内親王のことを忘れられず、死後にカズラに生まれ変わって内親王のお墓に絡みついたのだというエピソードがあります。小倉百人一首の選者は藤原定家百人一首に恋の歌が多いのはそのせいでしょうか。

テイカカズラの花の付け根に蜜が溜まるのでクマバチが集まってきます。大きな羽音を立てて素早く飛び回るので捉えるのが難しい被写体です。ホバリングの名手でもあります。体長が2㎝くらいあって黄色と黒の縞模様がスズメバチにそっくりなので、動もすれば見間違えそうになります。クマバチなら温厚な性格なのでめったに人を刺すことはありません。ハチに間違われ易いハナアブはハエの仲間です(ハネは2枚です)。敵から身を守るための針がないハナアブは、毒針があるハチに姿を似せて身を守っているのです。捕食者だけでなく人もこうした擬態にまんまと騙され警戒してしまうのです。クマバチもハナアブも見た目はスズメバチに似て怖そうですが、人に危害を与えないので安心です。