フィルハーモニクス ウィーン=ベルリンの「ワルチング・マチルダ」

ひと口に音楽と云ってもジャンルが広すぎて、人それぞれ好みは岐れるのではないでしょうか。好きなジャンルを問われたら、躊躇なくクラシックとジャズと答えることにしています。一般に敷居が高いと思われているのか、他の音楽ジャンルに比べると、クラシックは敬遠されがちです。初めの一歩が退屈で堅苦しい演奏会だったりすると、終生、毛嫌いされたりするのでしょう。


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[参考音源:Don't Stop Me Now /PHILHARMONIX 公式チャンネルより]

クラシック界の双璧オーケストラといえば、ベルリン・フィルウィーン・フィル。その精鋭メンバーが中心となって結成したユニットがフィルハーモニクス ウィーン=ベルリンです。彼らの手にかかると、クラシックはもとよりあらゆるジャンルの音楽が魔法をかけたように新たな息吹を纏った曲に生まれ変わるのです。トップ・オブ・トップの奏者による演奏テクニック、そして、クラシックの奥深い素養に裏付けられた編曲の賜物と云って過言ではありません。CDに収録された楽曲には、クイーンの「ドント・ストップ・ミー・ナウ」や ハンガリー民謡の「チャールダーシュ」なども含まれています。

最近、放送2800回記念「題名のない音楽会」に彼らが登場しました。番組で披露された4曲のなかで一番心に響いたのは、オーストラリア第2の国歌として知られる「ワルチング・マチルダ」です。1977年にオーストラリアの国家を決める際に2位だった曲で、オーストラリアの人々に今も親しまれ愛唱されている名曲です。職を求めオーストラリア各地を放浪するスワッグマンが持ち歩いたのがマチルダ(雑嚢)です。

編曲者は、写真(上)左端に映っているベルリン・フィルの首席チェリスト、シュテファン・コンツ氏です。開拓魂を謳った「ワルチング・マチルダ」の7人の奏者による浮き立つようなアンサンブルにすっかり魅了されてしまいました。超一流の演奏テクニックに加え、彼らの自由奔放な演奏スタイルがなんとも楽し気で爽快です。