2023年初詣|深大寺 X 明治神宮

お正月三が日は、掃き清めたような青空が拡がり、風もなく穏やかな日和となりました。元日の午前中、調布・深大寺に初詣。午後から息子夫婦が年始挨拶に来るので、例年より早めに現地に向かったところ、駐車場も境内も比較的空いていて気持ちよくお参りが出来ました。本堂向かって右手に聳え立つ「無患子(むくろじ)」を見上げると、黄金色の実をつけています(写真下)。古来からむくろじの果皮は石鹸に、種子は羽根つきの球に使われます。その名のとおり、子どもが患わないご利益もある有り難い大木なのです。深大寺のおみくじの3割が「凶」と言われます。悪い予感が的中し「凶」を引いたので、今年は気を引き締めてかかろうと思っています。

3日は午後から明治神宮へ。3が日にお参りするのは初めてです。例年、北参道から社殿に向かうのですが、3が日は混雑緩和のため南参道からしか参拝できないように規制されていました。警備員がテープでブロックを区切りながら少しずつ初詣の参拝者を前へと誘導していきます。南参道と北参道の出会い口にある「第2鳥居」付近には、DJポリスも出動していました。とても丁寧な口調で参拝者に注意を促しながら混雑緩和に努める警察官の姿に好感を覚えました。毎年大晦日から元旦にかけて神社仏閣に大勢の参拝者が訪れるなか、韓国・梨泰院(イテウォン)で154人が死亡したような重大事故が起きていないのは、こうした警察官や警備員さんのお蔭なのですね。

社殿前にたどりつくまで約2時間。陽が陰ってくると足元からジンジンと冷え込んできます。それでもしびれを切らして引き返す参拝者はごく少数派で、殆どの参拝者は警備員の指示に従って整然と行動しています。参道には、協賛企業や明治神宮崇敬会の提灯が並び巨大なモニターまで設置してあるので、さほど退屈することはありません。

社殿参拝する頃には後はとっぷりと日が暮れてしまいました。お正月3が日は祝意を込めてでしょうか、ドコモタワーが紅白にライトアップされています。初穂料を納めて、神符「家内安全御守護」と「除災招福守」を頂きました。「除災招福守」は、旧南参道にある「第一鳥居」の古材(台湾檜)で作られたお守りです。昨年7月4日にお披露目された「第一鳥居」は、樹齢250年超の「吉野杉」をはじめ国内数カ所で伐採された杉が使われているそうです。創建時、明治神宮の8つの鳥居すべてが台湾檜を用いて造られましたが、90年代以降、台湾では天然林の伐採が原則禁止されたため、今回初めて国産杉を使うことになったのです。最近はコンクリートや鉄製の鳥居も多くなりましたが、神域と俗世を分け隔てる結界の役割を果たす鳥居は、永久に天然木であって欲しいものです。