キムタクの威光いまだ衰えず~「ぎふ信長まつり」の主人公は英傑信長ではなくキムタクだった~

10月6日、岐阜市内で開催された第66回「ぎふ信長まつり」に約46万人が来場したと大きな話題になっています。翌朝の全国紙がこぞって騎馬武者姿のキムタクをカラー写真付きで紹介しています。他界して久しい両親のふるさと岐阜は、自身にとっても中・高時代の多感な時期を過した場所でもあります。7年前、中学の同窓会で繁華街の柳ケ瀬を訪れたときの寂れた印象を当ブログで取り上げたことがありますが、衰退著しい岐阜市に市の人口40万人を大きく上回る観客がキムタク目当てで殺到するというニュースに正直かなり驚いています。恥ずかしながら「ぎふ信長まつり」なるイベントが存在することさえ知りませんでした。歴史を紐解いてみたところ、驚くべき哉、1957年から連綿と続く秋のイベントだったのです。2009年、JR岐阜駅北口に市政120年を記念して「黄金の信長像」が設置されたことも・・・全くのブラインド。

それにしても、県庁所在地でありながら冴えない地方都市とカリスマ的人気を誇るキムタクの取り合わせはどう考えてもミスマッチです。家人が隠れキムタクファンなので、こっそり騎馬武者行列の観覧とトークイベント参加の抽選に応募していたのですが、あえなく落選の憂き目に遭いました。長良川の鵜飼以外これといった観光スポットもない岐阜市ですから、内心、当選確率はかなりあると踏んでいましたが、完全な誤算でした。蓋を開けてみれば、騎馬武者行列観覧申込に応募したのは96万人強、最終倍率は64倍だったそうです。トークイベントに至っては驚異の151倍だとか。

地元十六銀行の試算では岐阜県内への経済波及効果は39億円。まさにキムタクさまさまです。有名タレントを動員したイベントが地方活性化の切り札なのかと思わせます。その昔、30代同僚女性の多くがSMAPのメンバーとして活躍していたキムタクをべた褒めしていたことを鮮明に思い出します。当時、操り人形のようなジャニーズタレントのなかにあってSMAPだけは確かに異質の存在でした。今年11月13日で50歳を迎えるキムタクは、SMAP解散後もドラマやCMで大活躍です。近年、TVドラマ『教場』(長岡弘樹原作)で警察学校の鬼教官役を演じたキムタクの演技を見て、<どんな役を演じてもキムタク>という既成概念が根底から吹っ飛びました。

キムタクの威光いまだ衰えず!詰まるところ、「ぎふ信長まつり」狂騒曲で注目を浴びたのは英傑・信長ではなく、キムタクだったという訳です。キムタクが「別格」であることをまざまざと見せつけられた第66回「ぎふ信長まつり」でした。