尾瀬ヶ原のスマホ事情~困ったときは山小屋の携帯衛星電話を頼ろう~

10月初旬、友人ふたりを伴って晩秋の尾瀬を訪れました。初めて尾瀬を訪れるというふたりには、尾瀬ヶ原だけではなく尾瀬沼まで足を延ばして欲しいと思い、見晴にある弥四郎小屋を手配しました。鳩待峠から入山し東西約6km・南北3kmの尾瀬ヶ原を歩いて往復するだけでも、半日は掛かります。東京から尾瀬まで遠征しておいて日帰りでは、如何にも勿体ないと思うのです。

ソロなら夜明け前に出発するところですが、マイカーに同乗してもらうとなると出発は早くて8時が現実的。3連休の関越自動車道は予想どおり大渋滞で、戸倉の第一駐車場に着いたのは12時半過ぎでした。1泊2日の日程にしておいて良かったと内心胸を撫で下ろしました。欲張って牛首分岐からヨッピ橋へ遠回りしたら、東電小屋手前で雨が降り出しました。東電小屋から宿泊先の弥四郎小屋まで40分前後は掛かります。

小屋の庇の下で雨宿りしながら、ザックカバーを装着したりして強い雨に備えました。あと10日もすれば尾瀬ヶ原の山小屋は営業終了です。この時期、急に雨に降られた場合、身体が冷えないようにすることが最優先です。雨が降り出す前に全員フリースを重ね着しておいて正解でした。

弥四郎小屋への到着は予定よりも1時間以上遅れそうです。連絡しようにも周辺ではスマホは圏外でした。すると、たまたま玄関口に出てきた東電小屋のスタッフが弥四郎小屋に(3人の到着が遅れそうだと)電話を入れてくれるというのです。「あっ、その手があったか!」とリーダー役として思慮不足を猛省しました。スマホが通じなくても、山小屋やビジターセンターには衛星携帯電話が備わっています。有事の際は、山小屋のスタッフに頼ることを選択肢に入れておくべきでした。山小屋の夕食は早いので、到着が遅れることを早めに連絡しておけば安心です。

東電小屋のスタッフのご厚意に唯々感謝しかありません。弥四郎小屋には立派なお風呂があります。入浴を済ませたふたりに生気が甦りホッとしました。