高規格キャンプ場なら<長瀞オートキャンプ場>

関越自動車道さえ渋滞していなければ、秩父長瀞までクルマで約1時間半、距離にして90km足らず。都内からの交通アクセスの良さと荒川の風光明媚な景観が相俟って、日帰り圏では屈指の観光スポットではないでしょうか。12時のチェックインまで少しゆとりがあったので、阿左美冷蔵の天然カキ氷にありつこうと久しぶりに行列待ちに加わりました。

今回、訪れたのは<長瀞オートキャンプ場>です。ハイシーズンの週末ともなれば、2ヵ前の1日0:00にスタートするオンライン予約は相当な激戦です。キャンセル待ちにエントリーして、何とか人気のビューサイトワイド(140~150㎡)を押さえました。荒川を直下に見下ろせるロケーションが最大の魅力です。ラフティングやSUPで川下りを楽しむ観光客の姿がすぐ目の前です。しかも、100㎡を優に超えるゆとりあるスペースが適度な距離でお隣さんと隔ててくれるので、キャンプサイトによっては些か気になったりする相隣関係からも解放されます。荒川に架かる金石水管橋からテントサイトが一望できる点も隠れた魅力と云えるでしょう。

サイト選びのキーワード、高規格キャンプ場の要件のひとつに付帯施設が充実している点が挙げられます。<長瀞オートキャンプ場>で一番感心したのは、トイレが清潔な点とシャワー室(男性の場合はブースが5つ)が充実していることです。設営・撤収時にはひと汗もふた汗もかくので、滞在中、3度もシャワー室を利用しました。特に夕方は家族連れで賑わうので、混雑時は洗面所の前でブースが空くのを待つことになります。女性キャンパー向けのガールズサイトや赤ちゃんのための授乳室も備えているので、女子や小さいお子さん連れのファミリーに優しいサイトと言えます。唯一の難点は2021年からゴミがすべて持ち帰りになったこと。事業ゴミになれば、キャンプ場側に金銭的負担と共にゴミ仕分けの作業負担を強いることになります。通常は金銭的負担は受益者である利用者に転嫁されているはずです。にもかかわらず、ゴミ持ち帰りとしたのはゴミの分別マナーの悪いビジターが増えているせいなのでしょうか?少し気になりました。

初日、14時過ぎから天気予報どおり雷雨に見舞われ、強風で何度か大型タープのペグが地面から持ち上がり、その都度ペグハンマー片手に修復作業に追われました。開放感のある大型タープの最大の弱点を目の当たりにして、設営が容易なツールームテントに鞍替えした方がベターではないかと思い始めました。上石神井からやって来たという右隣りの5人家族はコールマンのツール―ムテント派でした。3人のお子さんが長女の5歳を筆頭にまだ幼いのにこうしてキャンプに来られるのも<長瀞オートキャンプ場>が高規格キャンプ場であることの証です。小さい頃、キャンプに親しんだというお母さんの方が積極的なのだとご主人からそっと囁かれました。

テレワークが定着し翌日満員電車に乗らなくて済むようになって、こうした若いファミリーが週末に自然豊かなキャンプ地でアウトドアライフを過せるようになったのは、まだ道半ばとは云え「働き方改革」のお蔭なのでしょう。週末、家族のために頑張る若いお父さんに心のなかでエールを送りました。