2022年満開のダブル河津桜~前篇:河津町~

先週末、伊豆半島の尖端部に近い河津町を訪れ、早咲きの河津桜を見てきました。都内から車で約3時間、沼津ICから伊豆縦貫自動車道(一部開通のみ)経由で現地入りしましたが、随所で渋滞に巻き込まれ、交通アクセスはお世辞にもいいとは言えません。そのせいで、首都圏の住人であっても河津町を訪れたことのある人は少数派ではないでしょうか。伊豆半島は東京から近いようで遠い観光地なのです。

例年、2月中旬に見頃を迎える早咲きの河津桜の開花が、今年は寒波の影響で2週間あまり遅れたようです。「河津桜まつり2022」の開催期間は2月1日から2月28日まで(花期が長いのが河津桜の特徴です)。河津町にかぎらず、桜の名所は開花時期をめぐって毎年やきもきさせられるのでしょう。Twitterなどで正確な現地開花情報を入手できたお蔭で、先週末がドンピシャの満開でした。見頃の週末ともなれば駐車場は争奪戦です。9時過ぎに伊豆急行河津駅に近い駐車場に車を停めました。10時を過ぎると駐車場の確保が難しくなるので要注意です。

河津桜は、大島桜と寒緋桜(↑下向きに咲く鐘型の五弁花は笹原公園の寒緋桜)の自然交配種だそうです。河津川左岸の堤を西に向かって進み豊泉橋北詰で右折、河津町役場の先に「河津桜原木」があります。1955年頃、飯田勝美さんが河津川沿いで芽吹いているさくらの苗をみつけ、庭先に植えたのが始まりだそうです。それから10年後にようやく花が咲き始め、写真(上)のように今では樹勢良好で見事な花を咲かせています。飯田さんは最初の開花を見届けて亡くなったそうです。河津桜命名されたのは1974年だそうです。飯田さんが玄関先に植えた1本の苗木が今や全国区となり、河津桜まつりは早春を告げる風物詩になりました。「河津桜原木」物語と呼ばれる所以ですね。

豊泉橋方向へ戻り、右岸を西へ進むと「峰温泉大墳湯公園」(こちらの足湯処は利用可能でした)や「新町の大ソテツ」があります。周辺は両岸に河津桜並木が拡がる絶好の撮影スポットです。ソメイヨシノよりも遥かに濃い紫紅の花をつけるので、真っ青な空とのコントラストが得も言われぬ美しさです。快晴の下、どうしても高い処から河津川の景色を眺めたくて、河津駅から徒歩30分弱の場所にある城山(181m)へ登りました。笹原公園の公衆トイレ背後の山がその城山です。山頂の河津城跡公園では河津桜がお出迎えしてくれます。プチ登山の甲斐あって、東に相模湾、西には全長3kmに及ぶ河津桜の回廊を目に焼きつけることが出来ました。満開の河津桜に快晴が重なれば、渋滞覚悟の伊豆半島の旅もきっと報われるはずです。