気になるコーヒー豆価格の急騰

近くて遠い隣国中国の人口は14億4186万人(2021年版世界保健統計)。中国は今や世界5位のワイン消費国、中国人の所得水準が上がるにつれワイン愛好家が増えるという図式です。近年、コーヒー消費国としても中国が台頭してきたために、風味が豊かで品質が高いとされるスペシャルティコーヒー*の国際価格が急上昇しています。最高級品はこの4年で4倍以上の価格まで急伸しているそうです。コーヒー生産量の6割を占めるといわれるアラビカ種の価格は、グラフが示すように、昨年1月あたりからきれいな右肩上がりになっています。コーヒー相場攪乱の背景には、世界最大の生産国ブラジルの降雨不足や降霜等による天候不順やコロナ禍に伴う海上輸送網の混乱などが挙げられています。

スペシャルルティコーヒーの定義:日本スペシャルティコーヒー協会によれば、生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められるのだそうです。

これを受けて、昨年10月、キーコーヒーがコーヒー製品価格を20%前後値上げ、11月にはキャピタルコーヒーもコーヒー焙煎豆・粉・生豆の価格を20%程度引き上げました。キャピタルコーヒーで焙煎豆を購入することが多いので、コーヒー消費量の多い我が家の家計を直撃しています。防衛策として年初にコーヒーの福袋をまとめ買いしたわけですが、中身が同じ福袋の価格は前年対比8%ほどきっちり値上げされていました。

中国人のブランド志向はコーヒーにまで及び、日本勢が「ゲイシャ」をはじめ高級コーヒー豆を狙った価格で落札できない異常事態が続いています。昨年12月初旬、南禅寺参道にブルーボトルコーヒー(はなれ2階は完全予約制)を見つけたので、早速入って、スペシャルティコーヒーを頂きました。築100年以上の京町家をリノベーションした空間で味わうコーヒーは格別でした。こうして、ふと立ち寄った旅先のカフェで贅沢な時間を過ごすためにも、これ以上、コーヒー価格が上昇しないよう願いたいものです。