先日、NHK<あさイチ>に俳優の吉田鋼太郎さんが登場し、上智大学在学中にめり込んだ演劇サークルの話をなさっていました。吉田鋼太郎さんといえば、最近でこそテレビドラマの俳優さんというイメージが強いのかも知れませんが、故蜷川幸雄監督に才能を見いだされ数々のシェークスピア作品を演じてきた古典劇の第一人者でもあるのです。2018年、日生劇場で上演された『シラノ・ド・ベルジュラック』を観る機会があって、このとき初めて舞台に立つ吉田鋼太郎さんを目にしました。麗しき才女ロクサーヌ(黒木瞳さん)に密かに恋する近衛騎士シラノ・ド・ベルジュラックを熱演した吉田鋼太郎さんの存在感は圧巻でした。
学生時代に徹底的に芝居の基礎を叩き込まれたのだそうです。<あさイチ>で披露された原語の発声練習は有名な早口言葉の一節でした。鋼太郎さんを真似て発声したみたものの、なかなかリズミカルに運びません。
Peter Piper picked a peck of pickled peppers.
(ピーター・パイパーは1ペックの酢漬けの唐辛子を摘んだ)
A peck of pickled peppers Peter Piper picked.
(ピーター・パイパーが摘んだのは1ペックの酢漬けの唐辛子)
If Peter Piper picked a peck of pickled peppers, where's the peck of pickled peppers Peter Piper picked ?
(もしピーター・パイパーが1ペックの酢漬けの唐辛子を摘んだのであれば、ピーター・パイパーが摘んだ1ペックの酢漬けの唐辛子は一体どこにあるのだろう?)
日本語ならさしずめ<東京特許許可局>でしょうか。言語が違っても、同じ音で始まる複数の単語が続けば発音が難しくなるのは世の常。一方、頭韻(Alliteration=アリタレーション)には記銘しやすいという効果があるのでしょうか、ディズニーキャラクターや商標にも見受けられます。
・Coca Cola:コカ・コーラ
・Mickey Mouse:ミッキー・マウス
・Minnie Mouse:ミニー・マウス
・Donald Duck:ドナルド・ダック
・King Kong:キング・コング
有名企業による頭韻を使ったキャッチコピーといえば、"Intel Inside"を思い浮かべます。 日本語CMは「インテル、入ってる」はそれを逆手にとって脚韻(Rhyme)を踏んでいます。ハイセンスな言葉遊びで宣伝効果はかなり増幅されたのではないでしょうか。
5年前、ピコ太郎さんの『PPAP』世界的な反響を呼んだのも、独特のリズムとともに、存在覚えやすい頭韻にあったのかも知れませんね。