<空也もなか>当日分をゲット!そして期間限定販売の<空也餅>を予約

空也もなか>とは、銀座並木通り(銀座6-7-19)にある和菓子屋さん「空也(くうや)」で販売されている瓢箪型をした最中(写真下)のことです。屋号は初代が関東空也衆のひとりだったことに由来します。京都・六波羅蜜寺の有名な空也上人立像(重文)が胸に鉦をぶらさげているように、空也上人は鉦やひょうたんを叩きながら念仏を唱えて歩いたそうです。<空也もなか>の愛らしい形はこのひょうたんを模したものなのです。この形状に加え、表面にうっすらと焦げ目がついているのが特徴です。この焦し皮は九代目市川團十郎の発案なのだそうです。歌舞伎ファンには何とも嬉しいエピソードです。JR有楽町駅で下車して歌舞伎座新橋演舞場に向かうとき、<空也もなか>が何となく気になるのはそのせいでしょうか?

ビルの1階に「空也」は店舗を構えていますが、一度に入店できるのは数名でしょう。店舗はここだけで通信販売や配送サービスはありません。購入希望者は現地に出向いて買うしかないのです。製造個数は1日8000個前後、予約したお客さんの需要を賄うが精一杯なのでしょう。「空也」は1954年に発足した「銀座百店会」に加盟する明治17年創業の老舗なのです(写真は百店会が観光する小冊子「銀座百点」)。徒に店舗拡大せず、昔ながらの製法にこだわってその日のうちに実店舗で売り切るというスタイル、却って好感が持てます。吉祥寺にあるわずか1坪の店舗で羊羹と最中だけを商う「小ざさ(おざさ)」もこの<空也スタイル>を踏襲しています。美味しいものを食べるための不便なんて厭いません!

冬になると無性に<空也もなか>が食べたくなります。不便を厭わずと云いながら、電話予約は無精者にとって煩わしいものです。ところが、今年1月に入って2度、観劇前に立ち寄ると、両日ともあろうことか当日販売分(1箱10個入り)をゲットすることができました。10名前後の行列は覚悟しなければなりませんが、開店直後の時間帯であれば入手できるようです。コロナ禍で常連さんが外出自粛しているからでしょうか。

1/16に購入した<空也もなか>の消費期限は1/23まで。購入当日も含め消費期限が8日間というのも有り難い!乾燥を防ぐためにラップして常温保存しておくことをおススメします。漱石の『吾輩は猫である』に登場する<空也餅>(消費期限は当日限り)は11月と1月中旬から2月中旬までの期間限定商品、こちらは22日に受け取りに出向くつもりです。