コロナ第三波到来でも不動の一番人気は神宮外苑のイチョウ並木

先週21日の都内の新型コロナ感染者数は過去最多の539人、3日連続の500人超えとなればメディアのアナウンスを待たずとも第三波到来は明らかです。三連休初日はときおり強い風に見舞われたものの晴天でしたので、井上ひさし展鑑賞後、三密と無縁の神宮外苑へ向かいました。

遠景中央に聖徳記念絵画館を望み、道路を挟んで2列に配されたイチョウ並木は見頃を迎えていました。晩秋の訪れを実感できる数少ない都心スポットだけに、去年以上の人出で賑わっていました。警察の再三再四の警告にもかかわらず、違法駐車する者が後を断ちませんでした。こればっかりは頂けません。

位置情報ビッグデータの集計によると、三連休中、渋谷・新宿をはじめとする都心繁華街各所の人出は減少したものの、神宮外苑の人出は前年比130%だったそうです。特に若い世代の増加幅が際立ったようです。東京から日帰り圏の紅葉の名所日光でさえ人出が前年比マイナスだったといいますから、神宮外苑イチョウ並木の集客力は抜きんでています。

考えてみれば、これほど美しいイチョウ並木は、全国津々浦々見渡しても見当たりません。山野に行かずとも身近で紅葉狩りができるわけですから、都民にとってこんなに有り難いことはありません。樹齢110年といわれる146本のイチョウ並木は、4年おきに、美しい円錐形を保つよう剪定されているのだそうです。開放的で日当たりのいい神宮外苑イチョウは巨樹と化し、その尖端は真っ直ぐ蒼穹に向かって延びています。計算し尽くされたその景観は、Avenue des Champs-Elysées (シャンゼリゼ大通り) の両脇を埋め尽くしているパリのシンボル、マロニエの並木(写真下)に勝るとも劣りません。

黄色い絨毯をバックに思い思いのポーズで訪れた人たちが記念撮影をしていました。イチョウ並木正面左手にはカフェが並び、パリの街角のようなテラス席が設えてあります。晩秋の風物詩といえば、神宮外苑イチョウ並木。コロナが収束したら、静かな新緑の時期に、カフェのテラス席でのんびり寛いでみたいものです。