ルー・デュモンのコルトン・グランクリュ2014年を抜栓

最近知り合ったばかりの同郷のワイン好きを自宅に招いて、セラーに寝かせておいたコルトン・グランクリュ(ルー・デュモン)2014年を抜栓しました。アニバーサリーや特別な日に飲もうと思って当たり年に気に入ったワインを買ってセラーにストックしておいても、ふさわしい機会はなかなか訪れるものではありません。ひと口に酒飲みと言っても、多数派と思しきビール党に加え、焼酎党・日本酒党ありとアルコールの嗜好は人それぞれです。気取っていると思われるせいか、男性のワイン派はどちらかと言えば少数派で、ワインパーティは圧倒的に女性向けなのです。

くだんのワイン好きは、仕事で東京都と地方を行ったりきたりしながら、フレンチを楽しんでいる方なので、ホームパーティーに奥様同伴で足を運んで下さいました。

パーティの主役ルー・デュモンは、単身でフランス・ブルゴーニュに渡り、成功を収めた稀有の日本人醸造家仲田晃司氏が手掛けるブランドです。2003年、ブルゴーニュの神様と呼ばれるアンリ・ジャイエが仲田氏のワインを絶賛したエピソードは、今も語り草となっています。オレンジ色のエチケットには「人は、天と地によって生かされている」という氏の考えに基づき、「天・地・人」と刻まれています。2020年は奇しくもドメーヌ創業20周年にあたる記念すべき年でもあります。

2014年はグッドヴィンテージ。ブルゴーニュグラスに注ぐと、鮮やかなルビー色が一段と映えます。特級畑コルトンの平均樹齢50年というヴィエイユ・ヴィーニュ(V.V.=Vieille Vigneは古樹のこと)から生みだされたコルトン2014年は、逸品にふさわしい味わいで、果実味が際立っているよう思いました。香りは控えめ、熟成感を愉しみたければもう少し寝かせておけば良かったのかも知れません。

年々進化を重ねる仲田氏のワイン、氏が憧れの畑だと語るミュジニーやシャンベルタンが近い将来世に送り出される瞬間が楽しみでなりません。