三鷹市プレミアム付き商品券をめぐる不平不満組を嗤う!

三鷹市プレミアム付き商品券販売手法をめぐる大混乱が全国ニュースに流れ、市民のひとりとして大変恥ずかしく嘆かわしい思いに駆られました。全国的に見ても異例の50%という高額プレミアムが付いた商品券を市民ひとり当たり上限3万円(+1.5万円のプレミアム付き)まで購入できるとあっては、市民が殺到するのも無理からぬことです。市報のみならずメディアでも大きく取り上げられたので、事前に販売情報は普く浸透していたのではないかと推察します。

先着順ですから、商品券発売日初日の10月1日に郵便局などの販売所に長い行列が出来ても何の不思議もありません。混乱を避けるため7:30から整理券が交付されました。

商品券発行総額(利用可能金額べース)は15億円。内訳は以下のとおりでした。

◎デジタル商品券:10.5億円

◎紙の商品券:4.5億円(初日2億5千万円販売)

三鷹市の人口は19万(発売日初日の10/1現在)、世帯数は95,776世帯ですから、平等に配るのであれば、1人当たり7894円、世帯単位であれば15615円にしかなりません。8月上旬にはこうした枠組みは固まっていましたから、冷静に考えれば、先着順なら争奪戦は必至と購入希望者は身構えるべきです。朝5時から並ぶのも当然です。

整理券を入手できなかったと嘆く前に販売所に早朝から並べば良かったのです。先着順とはそういう意味です。三鷹市では以前から10%のプレミアムの付いた<三鷹むらさき商品券>を先着順で販売しています。今回のように冊数限定で大行列ができましたが、特段のトラブルはありませんでした。文句があるなら、今回の事業の枠組みができた時点で、市役所に不公平だと陳情する手もあったはずです。

「7:30前に並ぶのはルール違反だ」と主張する不平不満組のやり場のない怒りは心情的には理解できますが、負け犬の遠吠えにしか聞こえません。7:30に一斉に購入希望者が販売所に殺到する様こそ狂気の沙汰ではありませんか。市は整理券方式で金銭授受に伴う長時間待機(三密も含め)を回避させたわけですから、「平日7:30は出勤や子育てで買えないから不公平だ」という声も、土日・祝日勤務のサラリーマンやOLもいることを考えれば説得力がありません。市民の生活支援とともに、市内で苦境に喘ぐ事業者を救うのだという視点が不平不満組からは完全に欠落しています。

2020年度に6.5億円の大型補正予算を組んで良かれと思って臨んだ三鷹市もとんだトバッチリでした。しかし、三鷹市がこうした混乱を事前に予想できなかったことは大きな落ち度です。コロナ禍で急速に景気が後退している最中、少なくない税金が投入される事業ですから、市民がカネをめぐる不公平な取り扱いに敏感になっていることを三鷹市はあらかじめ察知すべきでした。ジブリ美術館の招待券なども完全抽選制ですから、今回もそうしておけば良かったのです。混乱を受けて2日目から抽選に切り替えたのは評価できますが、くだんの不平不満組の初日購入組への恨みつらみは到底払拭できるものではありません。

今回のプレミアム付き商品券販売でもうひとつ気になるのは、デジタル商品券が市民や三鷹市で就労就学する者など購入対象者以外の手に渡ったのではないかということです。「在活者」という三鷹市で活動する者が含まれており、IDチェック(*のような簡単なものでした)がザルなので、三鷹市と縁もゆかりもない人が利得した可能性が大です。

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政府のコロナ対策給付金やGoToトラベルの迷走然り、国や地方自治体の行政サービスが日を追うごとに劣化しています。今回の三鷹市プレミアム付き商品券をめぐる一連の騒動はこれを象徴しています。