安倍首相が朝日新聞を毛嫌いするわけです!~高橋純子編集委員の痛快無比の多事奏論~

朝日新聞朝刊連載中の<多事奏論>というコラム(6/24付け)で、高橋純編集委員が麻生副総理の参院財政金融委員会における発言をバッサリ切り捨てた上、返す刀で安倍政権批判を展開しています。

先ずは6月4日の参院財政金融委員会における麻生副総理の問題発言を振り返ってみましょう。同委員会で自民党中西健治氏が、都市封鎖したフランスなどに比べて日本は緩やかな統制で感染封じ込めに成功したと「自由を守り続けてきたのは価値が高い」と持ち上げました。答弁を求められた麻生氏は、外国から電話で問い合わせがあったとした上で「『おたくとうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだ』って言ってやると、みんな絶句して黙る」と応じました。

麻生副総理の発言はこれまでも物議を醸してきましたが、今回は国際社会を敵に回すような暴言だとメディアは一斉に非難しました。この発言を不問に付せば、日本の<民度>こそ問われると騒ぐ人もいます。広辞苑によれば、<民度>とは人民の生活や文化の程度のこと。なるほど、日本の生活・文化水準が高いから他国に比して感染者数が少ないのだと言っているわけです。

高橋編集委員は、かくなる発言を終生偏屈を通した男が残した人間の愚かさをうつした詩の一節であると揶揄します。噛みついたのはこの発言だけではありません。「うちの国」と為政者が我が物顔で言うのも気に入らないと怒りが収まらないようです。とうとう矛先は安倍首相に向けられ、自民党憲法改正を解説した4コマ漫画(第1話)のなかで誤用したとされる進化論に対して、痛烈な一撃を加えています。以下、引用です。

《顔を洗って出直してもらえます?憲法はおたくらのおもちゃ、「うちの憲法」ではないのでね。「わたしたちの憲法」ですから。》

思い出すのは、4月17日のアベノマスクに関する記者会見において、安倍首相が朝日新聞記者に対して皮肉たっぷりに《御社のネットでも、布マスクを3300円で販売しておられたということを承知しています。そのような需要が十分にあるなかで、我々も2枚の配布をさせていただいたということでございます》と口撃したこと。当時、この唐突な安倍首相の発言に皆さん驚いたのではないでしょうか。

こうなるともはや泥仕合です。些か品を欠く高橋編集委員のコラムをそのまま掲載してしまう朝日新聞は、安倍首相に毛嫌いされるわけです。福島原発事故の際の民主党政権の迷走ぶりと比べれば、地球規模で拡散した未曽有の新型コロナ禍に対する安倍政権の対応はそこそこ評価できるのではないでしょうか。《政治の貧困は民度の反映》といいます。安倍長期政権を支えているのは我々同胞だということをメディアは忘れないで欲しいものです。

コラムのなかで座布団一枚は、尾崎放哉の代表作《咳をしても一人》に倣った《マスクしても一人》の下り。