水面の緑に生命の息吹@井の頭池

緊急事態宣言が全面解除された5月最後の週末、繁華街は普段の賑わいを取り戻したようです。土曜日は近所の人気ベーカリーに立ち寄ったその足で、井の頭恩賜公園へ向かいました(途中でオオタカと遭遇したお話しは前回ブログ記事で書いたとおりです)。吉祥寺にあるスタバの最古参は井の頭公園店。そのテラス席で寛ぐ外国人の姿を見て、平穏な日常が戻りつつあることを実感しました。スタバのポールに繋がれたトイプードルも心なしか幸せそうに見えます。

去年、ネット上で「井の頭池」がジヴェルニーのモネの池のようだと話題になりました。井の頭恩賜公園が100周年(2017年5月1日)を迎えるに先立って、池の水を浚い日光に晒す<かいぼり>が3度にわたり実施されました。こうして外来種(池の魚の97%はブルーギルだったそうです)を駆除しゴミを取り除いた結果、「井の頭池」は本来の自然を取り戻そうとしています。今では20種類以上(かつては70種以上)の水草や湿生植物が見られるようになったそうです。60年ぶりに確認されたという絶滅危惧II類の「イノカシラフラスコモ」もそのひとつです。七井橋の上から注意深く水面を眺めると、水中のツツイモトが細かい気泡を出していることが分かります。池全域に拡がり繁茂した水草は、この時期、確かにモネの『睡蓮』を想起させます。皆さん、2枚アップした写真の印象は如何でしょうか?

新緑の時期、水鳥にも注目です。狛江橋を渡り切った左手の浅瀬で、長い冠羽が生え始めたコサギを見つけました。しばらく観察していると、活発に動き回り水面をつついたりして盛んに獲物を探しているようでした。七井橋北詰め手前では、孵ったばかりのカイツブリが元気よく泳ぐ姿に遭遇しました。雛が親鳥を追いかける姿はなんとも愛らしく実に微笑ましい光景でした。