オオタカ現る@井の頭恩賜公園(2020-5-30)

かれこれ30年近く井の頭恩賜公園を散策していますが、オオタカに遭遇するのは初めての経験です。松本訓導受難の碑から北東へ数分移動した辺りの樹上に営巣したオオタカが、地上15m前後の枝に留まって微動だにしません。雛を守るべく周囲を睥睨しているようです。

慌てて自宅へ帰り、一眼レフを抱えて現地へ舞い戻りました。幸い、まだ動かずに比較的視界の開けた場所にいてくれたので、樹上のオオタカを上手く捉えることができました(写真下)。腹面は白色で細い波状の暗灰色の横帯がはっきり見て取れます。やがて移動した巣のなかの様子までは、タムロン16-300mmの限界でした。野鳥撮影には、最低でも400mm以上の超望遠レンズが必要だと痛感しました・・・

巣のなかに雛が数羽いるようで、終始お尻をこちらのレンズに向けたまま餌を与えています。親鳥が捕まえたキジバトでしょうか。ときどき雛が巣から顔を覗かせると、観察者からどよめきが湧き起こります。

オオタカの生息数は、日本全体で9000羽前後(2000年代調査)。自然保護運動が奏功して、近年生息数が回復、2017年には絶滅の恐れがあるとされる「国内希少野生動植物種(希少種)」から指定解除されています。都内でオオタカの営巣が確認されるようになったのもその証左かも知れません。

都心の]新宿御苑明治神宮でもオオタカがしばしば目撃されています。我が街はその周辺地域とともに、幕府や尾張徳川家の鷹狩りが行われた御鷹場でした。街のシンボル的存在オオタカの繁殖は、巣ごもりライフ明けの嬉しいニュースのひとつです。