「マスク依存社会」に異議あり〜マスクで感染予防できるのか?〜

新型コロナウイルス拡大の影響からマスクを着用している人のなんと多いこと。この時期、花粉症対策でマスクを着用する人も増えるので、道を歩いていても、電車や地下鉄に乗車していても、周りはマスクを着用した人ばかり。着用率は7割を超えているのではないでしょうか。「マスク依存社会」がさらに加速した印象です。1年中、マスクを着用する人が少なからずいるのだそうです。

日本を訪れる欧米人は一様に日本人のマスク姿に驚くのだそうです。外資系金融機関で働いていたとき、出張で東京を訪れるゲストから度々その理由を尋ねられたものです。自分はマスク着用派ではないので、欧米人同様、こうした傾向を不自然だと感じています。欧米ではマスクを着用している人=病人と認識されるからです。まして、日本人が着用するマスクは立体的なサージカルマスク(手術用マスク)ですから、欧米人の眼には、病院から抜け出した重病人が大勢外を歩いているというように映るのです。

今や、マスクを着用していれば、感染予防に努めていると看做され寧ろポジティブに受け止められます。逆にマスクをしていない人は非常識人間だと罵られる始末です。果たして、マスクに新型コロナウイルスも含め感染症から身を守る効果はあるのでしょうか。マスクは予防策ではなく自分の病原菌を他人に感染させないためのツールであって、元気な人は着用する必要はないと専門家は断言します。従って、マスク着用で感染症から身を守れるという科学的根拠はないに等しいわけです。付け加えれば、鼻と口を塞いでも、ウイルスは目から入ってきます。

WHOが「マスクの正しい使い方」を発表していますが、その内容は「口の周りや鼻の周りとマスクの間に隙間を作らないこと」、「マスクをしている間は、絶対に手でマスクに触れないこと」、「マスクを取ったらすぐに手を洗うこと」、「マスクが湿ってきたら、すぐに新しいマスクに代えること」、「一度使用したマスクはすぐに捨てること」となっています。こうした取扱い手順に従ってマスクを着用している人は、かなり少数派ではないでしょうか。医療従事者でさえ怪しいものです。

なにより、マスク姿ではお互いコミュニケーションが取りにくくなります。飲食店でマスク姿の従業員からサービスされて心地よく感じるでしょうか。花粉症対策は別途考えるとしても、身体が健康な人はマスクを着用しないで欲しいものです。さらに、対人不安を和らげるためにマスクで顔を隠す人も増えているのだそうです。こうして増え続けるマスク人口、そんな顔が見えない「マスク依存社会」にどうしても違和感を感じてしまうのです。