BGMならバッハが聴きたい!

ときどきホームパーティを開いて友人知人を自宅に招きます。そんなとき、BGMにジャズアレンジのバッハをかけることにしています。先週のホームパーティには、CD「JAZZで聴くバッハ BACH」を流しました。「メヌエット」、「インヴェンション1番」、「G線上のアリア」、「ガボット」、「トッカータとフーガ」……バッハの旋律はいつ聴いても心地よく耳に響きます。

MJQのリーダーJOHN LEWISの「ゴールドベルグ変奏曲」をはじめとするバッハの曲を収めたCDは大切なコレクションでもあります。

今や、ジャズのみならずHIPHOPにもバッハの名曲が数多く取り込まれています。バッハとヘンデルは奇しくも1685年生まれ。ヘンデルがイギリスに帰化してヨーロッパを舞台に活躍したのに対して、バッハは生地から遠く離れることはなく、宮廷・教会音楽家としてストイックな生涯を終えています。静謐な空間で孤高を保って作曲活動に専念した結果、バッハは生前それほど知られた存在ではなかったようです。2018年はふたりの生誕333年節目の年で、少し話題になった記憶があります。

現に、あまりにも有名な「G線上のアリア」は、19世紀ロマン派の時代を迎え、アウグスト・ウィルヘルミがバッハの原曲「管弦楽組曲第三番ニ短調」の2曲目をヴァイオリンとピアノのために編曲して、世に知られるようになりました。元々はG線だけで演奏されるように作られたわけではありません。チェロの名曲、「無伴奏チェロ組曲」にいたっては、13歳の少年(後の巨匠)パブロ・カザルスが19世紀末に楽譜を発見するまで埃をかぶったままでした。有名はパッヘルベルのカノンにおけるチェロの役割は通奏低音、そんな脇役の楽器チェロを表舞台に押し上げたのは、紛れもなくバッハの功績です。「ゴールドベルグ変奏曲」は、カナダ・トロント生まれのグレン・グールドが1955年にデビュー盤として録音し、ルイ・アームストロングを抑えていきなりチャート1位に上り詰めました。

バッハが没後「音楽の父」と崇められ、「3B」のひとりに擬えられるのも、後世、バッハが再評価されるようになったからに他なりません。そんな数奇な運命を思い浮かべながらバッハを聴くひとときは至福の時間なのです。

JAZZで聴く バッハ

JAZZで聴く バッハ

バッハ:ゴールドベルク・ヴァリエーション(1)

バッハ:ゴールドベルク・ヴァリエーション(1)