GLC250 4MATIC Sports (2019年モデル) 試乗記

山の日の直前、尾瀬方面へ遠征して山道を走るので、メルセデスのディーラー担当者にSUVを貸してもらえないかと頼んだところ、快く新車同然のデモ車(GLC250 4MATIC SPORTS / 9AT)を用意してくれました。いわゆるFR系四駆で駆動配分は33:67の後輪優先だそうです。足回りは19インチアルミホイールが標準装備となります。

走行距離は2000キロ未満。ボデイカラーはカバンサイトブルー(濃い紺色)で、ドアを開けると新車特有の匂いがします。プラットフォームはマイメルセデスのCクラスですから、運転操作要領は心配しなくて良さそうです。セダンとの大きな違いは、ハッチバックの存在。リアゲート(メルセデスハッチバックの呼び名)を足で開けられるの大変便利だと感じました。

問題は車体サイズと重量感。Cクラスセダン(2014年モデル)と比較すると、全幅がかなりワイドな上、車体重量は310kgも増えて、自宅駐車場に停めてみると、その存在感は、セダンとは段違いな印象です。ちなみに、燃費の方はセダンに比べてℓ当たり3キロ前後劣るようです。
全長4670mm( - 20mm)
全幅1890mm(+80mm)
全高1645mm(+210mm)
車両重量1850g(+310kg)

ちなみに対抗馬BMW X3(第3世代のサイズは全体的にGLCを上回ります。
全長4720mm
全幅1890mm(GLCと同じ)
全高1675mm
車両重量1830〜1980kg

山行2日目、国道352号線から馬坂峠駐車場へ向かう川俣檜枝岐林道(舟岐川林道)を走ってみて、SUVの威力を実感できました。往路は40分、8割方が砂利道。軽自動車がかろうじてすれ違える程度の隘路の中央部は、土砂が盛り上がり、林道はかなり蛇行しています。エアサスをオンにして走行すると、林道の凹凸の衝撃が和らいで、実に快適でした。都合、2泊3日で605キロを走行しました。4WDの場合、高速、国道、県道、林道という具合に数日試乗してみて初めて、車の真価を体感できるように思いました。

山行のとき、セダンは明らかに場違いです。用途に応じて2台、車が所有できればいいのですが、コスパを考えると、そうも行きません。オフロードだけではなく高速の走りも快適なメルセデスSUVは、次回の買い替えの際の有力な選択肢になりそうです。もし車幅がセダンと同じなら、今すぐにでも買い替えたいくらいです。流通台数が少ないので、Cクラスセダンとは対照的に他人と被らないのも大きな魅力です。すっかりメルセデスSUVの虜になってしまいました。価値あるフルタイム4WDという形容もふさわしいと感じました。