帝釈山から花の百名山田代山の湿原へ

会津駒ケ岳登頂後は尾瀬御池ロッジに宿泊(307号室)。たまたま昨年泊まったときと同じ部屋でした。チエックインを済ませ部屋に入ると、かなり蒸し暑く籠もった感じ。フロント曰く、夕方から過ごしやすくなると。ところが、翌朝まで扇風機をかけっ放しにしましたが、改善しませんでした。御池までやって来て、WiFiが繋がらないとか空調が効いていないとついつい都会並みの快適さを要求した自分を・・・・今は愧じ入るばかりです。

翌朝、5時に起床して身支度を整え、6:00に朝食。チエックアウトすると、広々とした駐車場の上空を沢山のツバメが飛び交っていました。天気は快晴、外気温は19.5度。体調も万全で2日目もモチベーションが維持できそうです。

めざすは帝釈山登山口のある馬坂峠駐車場(標高1780m)。御池ロッジから国道352号を下り、「燧の湯」を目印に右折すれば良かったものの、間違った思い込みから、登山口へ通じる舟岐(ふなまた)林道を通り過ぎてしまい、結果30分以上、タイムロスしてしまいました。ナビで目的地が特定できない場合は、現地で持参した地図をよく確認すべきでした。

舟岐林道から馬坂峠駐車場まで車で約40分。前半10分は舗装された道ですが、その先は砂利道が続きます。道路幅が狭いのでカーブミラーをよく確認しながら進む必要があります。愛車のセダンを諦め、メルセデスの4MATIC、GLC250を借りてきて正解でした。登山口駐車場は思ったより広くて、20台前後駐車可能です。公衆トイレも完備されています。駐車場には、蛍光色の真新しいスズキジムニーが1台だけ。

ここから帝釈山(たいしゃくさん)(2060m)まで40分前後。前半は階段が整備されていて、比較的楽な道のり。山頂のスペースは限られていて、日陰がありません。山頂には二等三角点があったのですが、倒れた方向標識の下敷きになっていて、見落としてしまいました。三角点マニアとしては大失態でした。

北はガスって視界不良。帝釈山山頂から下ってしばらく樹林帯が続きます。次のピーク田代山まで一度下がってまた上がるすり鉢状のルートになります。後半は、ぬかるんだ丸太道が続きます。会津駒ケ岳登頂の翌日の軽い登山のつもりでしたが、なかなかタフな行程でした。田代山湿原の入口まで約2時間を要しました。手前には立派なトイレと田代山避難小屋(弘法大師堂)があります。湿原は時計と反対周りで約20分もあれば、ぐるりと一周できます。木道ではアキアカネが羽を休めていて、歩を進めるたびに一斉に飛び立って行きます。キンコウカやイワシモツケが咲く田代山湿原はまさに天空の楽園。田代山が花の百名山のひとつに数えられるのも納得です。会津駒ケ岳山頂とは対照的に、コバイケイソウは開花していませんでした。

湿原では、馬坂峠登山口とは反対側の猿倉(さるくら)登山口からやってくる登山者の一団とよくすれ違いました。聞けば、猿倉登山口へ通じる県道350号線も未舗装の砂利道だとか。いずれの登山口へアクセスするにせよ、砂利道の林道というのが難点でしょうか。ただ、登山口までの交通アクセスが悪いが故に達成感もひとしおなのでした。

田代山湿原から帝釈山山頂へと引き返すと、山頂直前の狭い岩場でアブにつきまとわれ往生しました。そんな苦行と引き換えに、午前中とうって変わって、360度のパノラマが楽しめました。前年に登った燧ケ岳と至仏山の眺めこそ、2日間の山行のご褒美だったのでしょう。駐車場に着いてザックを格納しようとハッチバックドアを開けると大量のアブ(下の写真はウシアブかと思われます)やブヨが侵入してきました。茹だるような暑さはともかく、身体にまとわりつく虫さえいなければ.....

帰路に着く前に檜枝岐村村民ご用達の「駒の湯」に浸かって、旅の疲れを癒しました。露天風呂の開放感は「燧の湯」に勝るように思いました。湯屋ののれんには逆さ駒が描かれていて、思わず笑みが零れるのでした。