現代カンボジア事情(1)〜入国にはVISAが必要です〜

7月中旬の3連休を利用して、ベトナムホーチミン経由でカンボジアに入国しました。ANAは2016/9から成田-プノンペン間で直行便を飛ばしているようですが、アンコール遺跡群のあるシェリムアップ空港へはベトナム経由で入るしかありません。成田からハノイまで約6時間、乗り継ぎ待機時間が3時間、ホーチミンからシェリムアップまで1時間半ですから、都合、10.5時間掛かります。カンボジアと日本との時差は2時間、距離的にも近そうですが、東南アジア圏にありながらカンボジアは実は意外に遠い国なのです。ホーチミンを発って降下態勢に入ること、機上から東南アジア最大の湖「トンレサップ湖」を眺めることができます。雨季に入って増水しているのでしょうか、湖面はチョコレート色。乾季は琵琶湖の3倍、雨季ともなれば10倍に膨れ上がる伸縮自在の湖として知られています。様々な淡水魚(300種)も生息し、豊かな恵みをもたらしています。

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さらに、ベトナムは15日以内であればビザは要りませんが、カンボジア入国にはビザが要ります。シェリムアップ空港に着いてからでも取得できます($30)が、出国前にe-Visaを取得しておいた方が何かと安心でしょう。

カンボジアといえば、1975年から79年までのわずか4年間に総人口の1/3(諸説あり)の人命が喪われるという悲劇に見舞われた内戦の歴史が真っ先に思い起こされます。90年代になってシアヌーク殿下が12年ぶりに帰還、カンボジア王国が誕生したのは93年のことです。日本政府はその前年に駐カンボジア特命全権大使を任命しています。反政府ゲリラだったクメール・ルージュが事実上解体したのは98年、ボル・ポト政権の記憶がまだ生々しいカンボジアは、未だ再生の途上にあって、戦禍の爪痕が至る所に刻まれていることを忘れてはなりません。

図書館で借りてきた『地球の歩き方 東南アジア 2016〜2017』には、タイ/マレーシア/シンガポール/ベトナム/ラオス/カンボジアの6ヵ国が所収されています。カンボジアに関する記載はわずか十数ページに過ぎません。国土は日本の半分ほどありながら、人口は16百万。名目GDPは245億米ドル(国別では109位)、日本の名目GDPの0.5%に過ぎません。ASEANでは最も貧しい国なのです。近年の経済成長(7%前後)を支えるのは、縫製業(輸出全体の80%)と観光業。GAP、NIKEH&Mユニクロカンボジアの安価な労働力に依存して衣料品を輸入しています。

近年、ベトナムも同様ですが、ツーリズムについては、中国人観光客の流入が著しいようです。中国依存度が高まれば、中国の景気悪化の影響をモロに受けることになりそうです。

現地通貨はリエル。日本ではご存知の方は稀ではないでしょうか。現地のレストランではドル決済が一般的で、旅行客は両替をする必要が殆どありません。レストランでビールを注文すると、飲食後にドル払い(3$)が可能です。言い換えれば、現地通貨の交換価値が著しく低いことになります。例えば、来日する外国人旅行客が浅草のお店で小物や飲食する場合、米ドル払いは原則NGでしょう。日本円には通貨主権が認められます。おまけに、現地でリエル紙幣をお釣りで受け取ったとしても、円に交換することは難しそうです。帰国しれば尚更困難でしょう。従って、旅行客は空港でUNICEFに寄付するしかありません。通貨主権がないに等しいカンボジアは金融的には独立していない国と言えそうです(他方、為替リスクがないため、外貨投資を受け容れやすいという利点もあります)。