キーコーヒーの2019年株主総会と2000万円不足する年金ライフ

上場各社の株主総会が集中する6月最終週を迎え、家内がキーコーヒー株主総会に出掛けました。そもそも、最低投資単位かそれに毛の生えた程度の株数しか持たない個人投資家にとって、退屈な株主総会に出席するメリットは殆どありません。野次馬根性旺盛な株主であれば、社会問題を惹起したスルガ銀行や役員人事で混乱するLIXIL、ゴーン問題で揺れる日産などの株主総会へ足を運ぶの一興かも知れません。やむなく売りそびれた株主のささやかな抵抗とも言える怒号やヤジが飛ぶ総会であれば、睡魔も襲ってこないはずです。

朝食に珈琲の欠かせない我が家では、キーコーヒーの年2回の株主優待目当てで、長年、同社の株式を保有しています。近年、肝心の株価パフォーマンスは一向に冴えませんが、コーヒ生豆相場の動向に影響を受け易いので、相場に関心を払うという意味では保有メリットもないわけではありません。

家内曰く、総会会場でアイスコーヒーを飲み、ホットでトアルコトラジャコーヒーをいただきという具合で愉しいひとときだったようです。たまたま新宿で別の用事があったので出席したようですが、店頭で販売されないコーヒー豆の即売会も催され、総会お土産と共に購入したコーヒー缶をいくつか持ち帰ってきました。アマンドの製品が会場で売られていたとも。

キーコーヒーは、議決権割合で、アマンドに100%、イタリアントマトに58.63%、ルノワールに34.15%、それぞれ出資しています。招集通知やHPを見れば分かることですが、総会に足を運べば、意外な発見があるものです。

海外の投資家や機関投資家にはいたって不評の株主優待制度や総会お土産は、近年、廃止や見直しを検討する企業が増えています。やれ、ガナバンスだ、株主還元だと騒ぐ大口株主の意向も分からなくはありませんが、冴えない日本の株式市場において、優待制度は切り捨てて欲しくない日本独自の良き慣習であり、遊び心の表れだと思っております。足下、安倍政権を揺るがす2000万円不足するという年金ライフ問題も、GPIFや日銀が優待株を買い支え、年金生活者に長期安全投資を促せば、少しは潤いも生まれるのではないでしょうか。