炎天下の鳩待峠-至仏山ピストン

7月20日から一泊二日の行程で至仏山登山にチャレンジしました。ボランティア仲間ひとりと早朝4:20に杉並区今川のコインパーキングでランデブー、自分の車に同乗してもらい、鳩待峠から入山しました。前夜は気分が高揚していたせいか3時間程度しか眠れなかったのに、好天に恵まれたお蔭で忽ち元気になりました。登山はメンタルに負うところ大なのです。


下界同様、尾瀬も異常な暑さに見舞われていました。夏場は雷雲も発生しやすいので登山開始は早いに越したことはありません。上りの標準コースタイムは3時間。登山道も整備されているため、オヤマ沢田代経由、小至仏山(2162m)までは思ったよりも速いペースで辿りつけました。小至仏山の山頂から臨む至仏山(2228m)は想像以上に素晴らしい景色でした。

尾瀬ヶ原を挟んで対峙するふたつの名山、西側に聳える至仏山(2228m)は海底隆起に伴い成長した山で蛇紋岩と呼ばれる岩石で形成されています。森林限界が低く1700m付近までしか木が生育していません。反対東側の燧ケ岳は成層火山で5つの峰の総称です。両山とも百名山に選ばれています。深田久弥は「尾瀬沼を引き立てるものが燧岳とすれば、尾瀬ケ原のそれは至仏山であろう」と述べています。


至仏山から至仏山までは蛇紋岩帯が続きます。ところによっては巨岩の間をすり抜けるようにして稜線伝いに進みます。この稜線歩きこそ、至仏山登山の醍醐味のひとつです。この日の尾瀬ヶ原の最高気温は32.9度!額からは絶え間なく汗が噴き出し、キャップの内側もぐしょぐしょです。その甲斐あって、山頂付近ではナツアカネの大群がお出迎え。標準コースタイムより10分ほど早く念願の至仏山登頂を果たしました。尾瀬ヶ原はやや霞んで見えましたが、山頂からのパノラマは紛うことなき絶景でした。惜しむらくは、尾瀬ヶ原からは隠れて見えない方角に見える山々の名前をしっかり頭に入れていなかったこと。次回は周辺地図も持参しないといけません。

下りは厳しい日差しとの戦いでした。山ノ鼻側に降りたいところですが、滑りやすい蛇紋岩による転倒防止のため下ることはできません。下山半ばであっという間に1リットルのペットボトルが空となり、降り注ぐ太陽光線を遮る場所も少いため、疲労よりも喉の渇きに苦しみました。昨年は7月に25℃を超えたの3日間、今年は7/20時点で9日目。鳩待峠-至仏山ピストン(所要時間5時間)は、想定外の猛暑という制約条件がついて、記憶に残る山行となりました。