「有事の金」投資(最終回)〜世界で一番美しい金貨〜

昨日は税理士と会社決算の最終打ち合わせ。席上、たまたま「有事の金」の話になって、今や「有事の金」ではなく「有事の円」なのですよと所長に囁いたらずいぶん驚いておられました。地震国日本の頼りない「円」が安全逃避先として買われるなんて俄かに信じられない話なのですが、足元ではそれが真実です。

くだんの豊島さんは、残念なことに円が信じられない確かな証左があるといいます。彼の同級生が財務省や日銀を退職すると、退職金を元手にこぞって米ドルや金を買うのだそうです。通貨の番人が「円」に不信感をもっているわけですから、「有事の円」という現象には警戒した方がよさそうです。


セミナーの後、田中貴金属の呈茶券を頂いたので、銀座本店まで足を伸ばして記念に1オンスのウィーン金貨ハーモニーを購入しました。額面は100ユーロですから日本円換算11000円のれっきとした通貨です。金やプラチナの計量単位オンスとは正確にはトロイオンスのこと。日本では31.1035gに相当します。同じヤード・ポンド法の常用オンスは28.34・・・gですから混同しないように注意が必要です。日本では、カナダ王室造幣局が発行するメープルリーフ金貨の知名度が勝るように思いますが、音楽の都ウィーンらしく管弦楽器をあしらったオーストリア造幣局発行のウィーン金貨のデザイン(写真右)がとても素敵です。

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ほかにも、中国造幣公司が発行するパンダ金貨や南ア造幣局が発行したクルーガーランド金貨もよく知られています。地金型金貨というよりは収集型金貨の性格が強いのかも知れません。そんな数ある金貨の最高峰といえば、英国王室造幣局が発行した「ウナとライオン」金貨です。表面には18歳のヴィクトリア女王の横顔が、裏面には16世紀の詩人エドマンド・スペンサーの代表作「妖精の女王」の主人公「ウナ」(=ヴィクトリア女王)と女王を守護するライオン(=「英国」)が描かれています。刻まれている”DIRIDGE DEUS GRESSUSMEOS”とは、ラテン語で我が君主が進むべき道を示すであろうという意味です。デザインしたのは王室造幣局屈指の技巧派彫刻師のウィリアム・ワイオン。

その比類なき美しさと発行枚数僅か400枚という希少性ゆえに、この金貨は「世界で一番美しい金貨」と呼ばれています。巷では資産家の間で『究極の資産防衛 アンティークコイン投資入門』という本が話題になっているようですが、金貨のデザインやセンチメンタルバリューに着目して縁があったら買うというスタンスでいいのではないでしょうか。金貨購入は投資とは無縁だと考えた方が長期的にはいい結果をもたらすように思います。

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