GALOPINの週末ランチ


春の陽気に誘われて、玉川上水花筏を眺めながら吉祥寺GALOPINに週末ランチに向かいました。週末は必ず行列ができるフレンチレストラン(席数35)ですから予約は欠かせません。すでに数組が半地下の店舗に続く狭い通路で空席ができるのを待っていました。近所に姉妹店のTALK BACKという名前のビストロがありますが、そちらも行列待ちでした。店内に入ると、前回同様、厨房でシェフが調理しているところが見られるカウンターに席をあてがわれました。1987年開店の老舗レストランでありながら当時からオープンキッチンだったといいますから、先見の明を感じさせます。都心のおしゃれなフレンチとは対照的に、店内センターに大きめのテーブルが設えてあって複数のゲストがお互いを囲むように座わるというレイアウト、テーブル席は壁際に3卓と少な目で店内はやや窮屈な印象です。それが却って心温まる空間を創り出しています。わんぱく小僧を意味するフランス語の店名にぴったりのこうした雰囲気を気に入って贔屓にしています。

ランチタイムのコースは3種類あって、どのコースもとてもお値打ちです。ミシュランの星を売り物にしている気取ったフレンチは実はあまり好きではありません。一番気に食わないのは真っ先にミネラルウォーターを勧めてくることです。東京都の水道水は2年前に達成した100%高度浄水処理のお蔭で格段に品質が向上し、そこいらのミネラルウォーターとは区別がつきかねるくらい美味しいのにです。その点、GALOPINではそんな野暮な勧めは一切ありません。グラスになみなみと水が注がれ運ばれてくる上に、食事中にスタッフがしょっちゅう継ぎ足してくれます。料理のクオリティを云々する以前に、店の雰囲気や給仕のあり方で店の印象がずいぶん違ってくるものです。


真ん中のプライスのコースとヱビスの瓶ビールを注文、コースは前菜盛り合わせ→スープ→パスタ(選択可能)→サラダ→メイン(魚か肉を選択)→デザート3種→飲み物という流れになります。お水同様、地元のパン屋さんから仕入れるバゲットも頻繁に補充して下さいます。厨房のシェフには次々とオーダーが入り、カウンターからは手際よく調理をする様子がよく見てとれます。メインは今回若鶏の香草焼きにしましたが、連れが注文した大ぶりの鰆にすれば良かったと少し後悔しました。

採算を考えれば、メインのボリュームを落としたりデザートの品数を減らしても良さそうなものですが、GALOPINは良心的な価格でクオリティも維持してくれるので本当に有り難い存在です。SNSを通じて<普段遣いしたい>と多くのゲストが発信するメッセージこそ最高の賛辞ではないでしょうか。